東レ:5G向け低誘電損失PI材料開発:ミリ波レーダー向けポリイミド材料:
Toray:Low dielectric loss PI material for 5G: Polyimide for millimeter wave radar:
东丽:针对5G的低介电损耗PI材料开发:用于毫米波雷达的聚酰亚胺材料
東レ:PI材料開発
このほど、ミリ波レーダー向け電子部品に適した、ポリイミド(PI)材料を開発しました。
このポリイミド(PI)材料は、5G通信や、自動運転などに用いられます。
5G通信:ミリ波レーダー
5G通信では、従来から使用されている6GHz以下の周波数バンドに加え、ミリ波領域といわれる20GHz以上の新たな周波数帯での通信が必要です。
新技術の重要性:
5G通信では、
高い周波数帯域での通信に適した誘電特性、
半導体実装に耐えられる耐熱性、
銅配線との接着性などの物性値を満たす材料開発が求められます。
従来の技術:高周波で誘電損失発生
フッ素樹脂系やビスマレイミド系などの既存材料は、半導体・電子部品に必要な主要物性値に課題があります。
従来のポリイミド(PI)材料は、誘電特性に問題がありました。
高周波での誘電損失を低下させるためには、
- 高分子構造において分極を小さくすること(誘電率に対応)、
- 分極の動きを抑えること(tanδに対応)
がカギとなるのです。
今回の技術:高周波での低誘電損失PI開発に成功
- 長年蓄積してきた機能性PI設計技術を駆使、
- 精緻な分子設計技術により極限を追求、
電気エネルギーの損失を0.001(20GHz)に抑える低誘電損失PIの開発に成功。
LCPなど誘電特性の高い樹脂と比べても高耐熱性、機械物性、接着性の面で優位性があり、また低コスト化も実現しました。
今後の開発予定:
現在、低誘電損失PI材料をベースに、感光性付与、シート化などの開発を推進中。
低誘電損失PI材料の適用すれば
- 電気エネルギーの損失を抑え、
- 大容量データの高速通信安定化、
- ミリ波レーダーの距離測定性能向上、
- 部品の小型化などが可能となる。
日刊ケミカルニュース
https://chemical-news.com/2019/06/03/東レ%E3%80%805g向け電子部品に適した低誘電損失pi材料/
東レの低誘電損失PI注目 5G・ミリ波レーダー普及控え
https://www.chemicaldaily.co.jp/東レの低誘電損失pi注目%E3%80%805g・ミリ波レーダ/
2019年 | プレスリリース | TORAY
5G通信、ミリ波レーダー向け電子部品に適した低誘電損失ポリイミド材料を開発