中国：途上国向け融資に矛盾：自国に有利な条項（動画）：
China: Lending to developing countries: Provisions in favor of China：
中国：对发展中国家的贷款特征：对国家有利的规定
［ダカール 3月３１日 ロイター］
中国の途上国向け融資契約条件には、「秘密保持や中国国有銀行への返済を優先する」などの特徴がある。
3月３１日公表された研究リポートで明らかになった。
米ウィリアム・アンド・メアリー大学：
シンクタンク、エイドデータ：
- ワシントン世界開発センター（ＣＧＤ）
- ピーターソン国際経済研究所、
- ドイツのキール研究所、
中国の２４の中低所得国向け融資契約１００件を、その他の主要債権国の契約と比較し、法的な観点から評価を試みた。
中国の融資契約条件を調査：
その結果、中国の融資契約には、「資金返済の可能性を高める規約が盛り込まれる」などの特徴が明らかになった。
具体的には、
- 「借り手が、融資条件を公表しないようにする秘密保持条項」がある。
- 「中国側が、他の債権者よりも優遇される非公式な担保の取り決め」がある。
- 「中国側に、融資を取り止めたり資金回収を加速させる裁量」が与えられている。
リポート共同執筆者：
ＣＧＤのスコット・モリス氏：中国は「途上国の債務を削減する場合の共通の枠組み」で、Ｇ２０メンバーとして合意している。
しかし、今回の調査で、「中国のＧ２０メンバーとしての役割に、疑問符が付いた」と指摘した。
Ｇ２０共通枠組みの約束
Ｇ２０共通の枠組みでは、途上国債務を削減するため、「民間も含めすべての債権者を、同等に取り扱うこと」になっている。
しかし中国は、調査した契約の大半で、「他の債権者と連携・平等条件で融資再編すること」を禁じている。
現時点で、中国外務省のコメントは得られていない。
研究・ Reuters
https://www.reuters.com/article/china-emerging-debt-idJPKBN2BN11U
中国：融資で秘密条項を多用：途上国と不平等契約
中国の途上国向け融資：
中国が、発展途上国向けに融資する際、「中国にとって有利な返済条件となる秘密条項を多用していること」が明らかになった。
中国経済の成長が鈍るなか、「対外融資でも債権回収を重視するようになったこと」が背景にある。
中国優位の融資契約は、「債務のワナ」に陥った途上国の債務再編を難しくしている。
米エイドデータが報告：
3月31日、米研究機関エイドデータが、報告書を公開した。
中国の対外融資は「契約内容が不透明」と、国際的な批判を浴びている。
「中国の融資条件が不透明」：
個別契約の実態が明らかになるのは珍しい。
過去20年間・24カ国に対して実施した、100件の融資契約書を入手して分析した。
延べ366億ドル（約4兆円）に上る。
2020年デフォルトに陥った、アルゼンチンやエクアドル向けの融資も含んでいる。
融資条件の守秘義務条項：
報告書によると、
中国国家開発銀行や中国輸出入銀行による15年以降の融資を調査。
途上国に対するすべての融資条件について、守秘義務条項が付いていた。
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB011W20R00C21A4000000/
Examining the Debt Implications of the Belt and Road Initiative from a Policy Perspective John Hurley, Scott Morris, and Gailyn Portelance
Abstract
China’s Belt and Road Initiative (BRI)
hopes to deliver trillions of dollars in infrastructure financing to Asia, Europe, and Africa.
If the initiative follows Chinese practices to date for infrastructure financing, which often entail lending to sovereign borrowers, then BRI raises the risk of debt distress in some borrower countries.
This paper
assesses the likelihood of debt problems in the 68 countries identified as potential BRI borrowers.
We conclude that
eight countries are at particular risk of debt distress based on an identified pipeline of project lending associated with BRI.
Because this indebtedness
also suggests a higher concentration in debt owed to official and quasi-official Chinese creditors, we examine Chinese policies and practices related to sustainable financing and the management of debt problems in borrower countries.
Based on this evidence,
we offer recommendations to improve Chinese policy in these areas.
The recommendations
are offered to Chinese policymakers directly, as well as to BRI’s bilateral and multilateral partners, including the IMF and World Bank.
The authors
are grateful to Nancy Lee, Visiting Fellow, the Center for Global Development and Ye Yu, Senior Fellow, Shanghai Institutes for International Studies, for comments and suggestions.
AidData at the College of William & Mary and the China-Africa Research Initiative at Johns Hopkins University
kindly provided us with unpublished data on Chinese overseas financing.
This paper
represents the views of the authors alone, and they are responsible for any errors in fact or judgment.
John Hurley, Scott Morris, and Gailyn Portelance. 2018.
“Examining the Debt Implications of the Belt and Road Initiative from a Policy Perspective.” CGD Policy Paper. Washington, DC: Center for Global Development.
CGD is grateful for contributions from the William and Flora Hewlett Foundation and the Lakeshore Foundation in support of this work.
This paper was corrected in February 2021.