RCEP:1月1日に発効:日本が最大の受益国(動画):  RCEP: Effective January 1: Japan is the largest beneficiary country:  RCEP:1 月 1 日生效:日本是最大的受益国

RCEP:1月1日に発効:日本が最大の受益国(動画): 
RCEP: Effective January 1: Japan is the largest beneficiary country: 
RCEP:1 月 1 日生效:日本是最大的受益国

ー日本の輸出5%増、中韓向け市場が拡大ー

UNCTAD
国連貿易開発会議

12月15日、次のような試算結果を発表した。

  • RCEPによる関税引き下げの恩恵は、
  • 参加15カ国中で、
  • 日本が最も大きい。

加盟国内での日本の輸出が、19年比で5.5%増とみている。

「累積原産地基準」の効果:

この背景は、「日本企業が東アジア全体へ広く進出しているため」である。

  • 「累積原産地基準」により、
  • 域内での部品生産などが、
  • すべて関税無税化する結果である。

RCEPが日本に恩恵:

日本は、「長い間、製造業の海外移転により、国内空洞化のマイナス」が雇用に影響した。

この日本の悩みが、RCEPによって花開く。

2022年は日本にとって、経済面で幸先の良い年になりそうだ。

『日本経済新聞』
(12月30日付)

「日本車・農産品にとって追い風」と題する記事を掲載した。

巨大経済圏に向け、日本の輸出が5%増加する。

中韓とのFTAであるRCEPが1日発効する。

RCEPとは:

東アジアの包括的経済連携(RCEP)協定

日本、中国、韓国や東南アジア諸国連合(ASEAN)などが参加する。

2022年1月1日に発効。

「GDPで世界の3割を占める巨大経済圏」が誕生する。

「日本の域内向け輸出を19年比で5%超押し上げる」との試算もある。

RCEPの歩み:

2012年11月に交渉を開始。

2020年11月に署名が完了。

インドが途中で離脱するなど協議は難航した。

関税の撤廃率:

品目ベースでみた関税の撤廃率は91%。

TPPの99%には及ばない。

日本のGDP押し上げ効果:

日本政府は、「GDPの押し上げ効果を15兆円」と見込む。TPPの2倍と試算。

日本のGDP押し上げ理由:

RCEPで、

日本のGDPが押し上げられる理由は、「平均関税率が高い国が参加しているため」だ。

世界貿易機関(WTO):

農産品と工業品を合わせた平均関税率は、

韓国(13.6%)、
中国(7.5%)、
ベトナム(9.5%)、
インドネシア(8.1%)など、

「いずれの国も、平均関税率が高水準」だ。

日本にとって、

  • 最大の貿易相手国の中国と、
  • 3番目の貿易相手国の韓国と、
  • 初めて結ぶFTAになることが背景にある。

みずほリサーチ&テクノロジーズ:

「現行無税の品目を含めた即時撤廃率」は、

中国で25%、
韓国で41.1%。

発効時点で無関税になる品目は多くはない。

しかし「10年かけて、中韓ともに7割の品目で関税」が撤廃される。

今まで日本は、韓国と中国とFTAを結んでいなかった。

これが、「日本が最大の受益国になる理由」だ。

国連貿易開発会議(UNCTAD)の試算額:

RCEPでの域内貿易額は2%、420億ドル(4兆8000億円)拡大する。

輸出需要を奪う効果:

関税引き下げで、

「競争上有利となる域内国が、域外国から輸出需要を奪う効果」が、250億ドルと試算された。

貿易拡大の効果:

「関税低下による貿易拡大効果」が、170億ドルと試算された。

国別の恩恵額:

日本
域内向け輸出は19年比で5.5%、金額で約200億ドル増える。

日本企業の多国籍化が、「累積原産地基準」で大きなメリットを受けることになった。

中国や韓国
2%程度の輸出増を見込む。

一方、

インドネシアやベトナム
他の域内国に輸出需要を奪われてマイナスとなる。

米国やEU、インド
域外国のRCEP向け輸出は、減少する見通し。

日本の工業品輸出:

自動車分野が大きな恩恵を受ける。

日本の自動車産業は、トヨタ中心の技術開発連合を築いている。

日本の農林水産品輸出:

農林水産品の輸出にも追い風となる。

中国での人気商品
中国で人気が高いパックご飯やホタテに、10%の税率がかかっていた。

段階的に減らす。

日本酒や焼酎
関税率が低下すれば輸出増が見込まれる。

勝又壽良のワールドビュー 

http://hisayoshi-katsumata-worldview.com/archives/28282067.html