富士通:GaN HEMT、冷却装置簡素化・小型化:レーダーシステムの小型化(動画):
Fujitsu:GaN HEMT、simplification of cooling system:downsizing of radar system:
富士通:GaN HEMT,冷却系统的简化和小型化:雷达系统的小型化
富士通/富士通研究所:
窒化ガリウム(GaN)高電子移動度トランジスタ(HEMT)の表面に、世界で初めて「放熱性の高いダイヤモンド膜を形成する技術」を、開発しました。
GaN HEMT:従来の問題点
GaN HEMTは、気象レーダーなどのパワーアンプ(増幅器)に使用されています。
レーダーシステムに用いるトランジスタは、長距離対応にともなう高出力化のため発熱量が増大します。
その発熱により性能が劣化するため、冷却装置が必要となります。
高価かつ空調設備も含めた全体システムが大型になり設置場所が制限されるため、冷却装置の簡素化・小型化が課題となっていました。
GaN HEMT:今回の開発
富士通は、「GaN HEMTの基板と単結晶ダイヤモンドを常温で接合する技術(注4)」を用いてGaN HEMTの裏面側から効率的に放熱させることに成功しています。
しかし、より高い放熱効果を得るためには、表面側にも放熱に優れたダイヤモンド膜を形成する技術が必要となります。
一般的なダイヤモンド膜の形成温度は、「900℃程度と非常に高温」であるため、「GaN HEMTを破壊してしまう」という問題がありました。
今回、「GaN HEMTが破壊されない低温(約650℃)」において、「GaN HEMTの表面に放熱性の高いダイヤモンド膜を形成する技術」を開発し、動作時の発熱量を40%低減することに成功しました。
これにより冷却装置の簡素化を実現し、GaN HEMTを利用したレーダーシステムの小型化が可能となります。
本技術の詳細は、12月1日(日曜日)から12月6日(金曜日)まで米国のボストンで開催されている材料科学に関する国際会議「2019 MRS FALL MEETING & EXHIBIT」にて発表します。
富士通