米国の補助金:サムスン・TSMCへ全額支給は無理 US subsidy: impossible to pay the full amount to Samsung/TSMC 美國補貼:不可能全額支付三星/台積電

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米国の補助金:サムスン・TSMCへ全額支給は無理
US subsidy: impossible to pay the full amount to Samsung/TSMC
美國補貼:不可能全額支付三星/台積電

・予算280億ドルに対し、申請額が700億ドル

・米商務省は3月末までに、支給金額発表

勝又壽良のワールドビュー掲載記事からSummaryをお届けします。

U.S. Commerce Secretary Gina Raimondo speaks during a forum hosted by the Center for Strategic and International Studies in Washington on Feb. 26, 2024 in this photo captured from a livestream of her speech on CSIS's YouTube account. (PHOTO NOT FOR SALE) (Yonhap)

米国・レモンド商務長官:

2月26日の講演:

米国は、10年後先端半導体のシェア目標を20%に設定した。

バイデン政権の巨額補助金:

1.補助金総額280億ドルに対し、申請額は700億ドルに達した。

2.補助金、融資、融資保証の組み合わせで、交付されるとのこと。

この金額では、全プロジェクト費用の15%しかカバーできない。

東亜日報(2月28日):

レモンド米商務長官:

投資企業は、’CHIPS法・補助金を受けることは難しい’との見解を示した。

半導体補助金発表を控え、米商務長官がこの発言をした。

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サムスン電子やインテルへの補助金:

米政府CHIPS法・補助金の発表期限が迫っている。

1.半導体先端企業が、要求した補助金総額は700億ドルに上る。

2.補助金予算は280億ドルしかない。補助金申請は、その2.5倍だ。

戦略国際問題研究所(CSIS):

2月26日、米CSISが、600通の投資意向書を受け取ったと発表。

先端企業の要求金額だけでも、700億ドルを超える。

TSMC、米アリゾナ工場建設につき米政府に補助金の倍増を要求か | Gadget Gate

TSMCの米国工場建設計画:

予定通りの補助金が得られなければ、日本から輸出せざるを得ない。

TSMCにとって、日本の補助金が、米国との交渉カードである。

これは、TSMCが日本での生産に大きな期待を賭けている証しだ。

TSMC:

アリゾナ州フェニックス近郊に、ファウンドリー工場を建設中だ。

2つのキャンパスは車で30分程の距離

サムスン電子やTSMCの要請:

レモンド商務長官は、補助金希望額の半分を、受け取れても「幸運」だ。

サムスン電子やTSMCに厳しい査定:

サムスンやTSMCは、米国補助金に釣られて、工場建設に着手した。

いまさら、建設中止は不可能だ。米国政府の「作戦勝ち」である。

サムスン電子:

173億ドルを投じて、テキサス州タイラー市にファウンドリー工場を建設中。

米国CHIPS法等の中国規制厳格化で、日本・韓国の半導体関連メーカーが「死ぬ」?の画像2

CHIPS法・補助金の発表時期:

ブルームバーグによると、

1.米商務省は3月末に、’主要企業向け補助金の規模’を発表する。

2.先進チップ製造支援で、今年中に’12件の補助金の交付’を発表する。

今年11月大統領選挙の影響:

しかし、11月の大統領選挙を控えている。これを考慮することが重要だ。

外国企業が、補助金配分で不利益を被る可能性がある。

TSMC opens first chip plant in Japan for Sony and Renesas - Nikkei Asia

日本のTSMC補助金:

TSMCは、日本から半分近い補助金を受け取る。

日本のTSMC補助金は、米国より遥かに巨額だ。

’TSMCの日本への信頼が高まる’のは当然のこと。

TSMC補助金の内訳:

日本政府が、引き続き財政支援計画を発表した。

1.第1工場に、4760億円を補助した。

2.第2工場に、7300億円を追加補助する。

TSMC・両工場で、財政支援は1兆2060億円に達する。

世界は半導体の「大競争時代」TSMC開所式から2日 駅は混雑し工場周辺は渋滞 今後の展望は? | TBS NEWS DIG (2ページ)

TSMC巨額支援の条件:

日本は、これだけの巨額支援を、無条件で拠出する訳でない。

次の条件を、TSMCに課している。

1)操業条件:10年間は撤収しない。

2)資材調達:製造装置と素材の半分を、日本で調達する。

3)製造目標:半導体供給が難しい状況でも増産する。

上記の3条件で、TSMCに不利となる項目はない。

世界は半導体の「大競争時代」TSMC開所式から2日 駅は混雑し工場周辺は渋滞 今後の展望は? | TBS NEWS DIG (2ページ)

熊本工場で、成熟品半導体も製造:

熊本第1・第2工場は、主に6ナノ~28ナノ半導体を生産する。

更に、成熟品半導体も製造するのだ。これが、重要な意味を持つ。

China's Share of Global Chip Sales Now Surpasses Taiwan's, Closing in on Europe's and Japan's - Semiconductor Industry Association

中国の成熟品半導体製造:

中国が、成熟品半導体で、世界シェア3割を狙う。

これが、西側諸国にとって脅威になるのだ。

1.中国の先端半導体製造は、米国の輸出規制により抑止された。

2.日本と台湾が、中国・成熟品半導体のシェア上昇を阻止する。

これで、世界の旧世代半導体の安定供給を保証する。

https://hisayoshi-katsumata-worldview.com/archives/35166519.html