日本:半導体製造装置と材料(前工程):シェア・ランキング(動画):
Japan:Semiconductor equipment/materials(pre-process):Share ranking:
日本:半导体制造设备和材料(前处理):份额排名
半導体製造装置と材料:
半導体製造装置と材料の分野において、日本は非常に高いシェアを持っている。
これはなぜなのか?
「欧米メーカーのシェアが高い分野」と比較分析した。
SEMICON JAPAN 2021 Hybrid
Semi Technology Symposium12月17日(金)
先端材料・構造・分析セッションで、「日本の装置と材料の競争力とその源泉」という題目で講演する。
そのフレームワークは、以下の通り。
装置や材料
日本シェアの分析前工程および後工程/パッケージで、
「装置や材料の日本シェア」を明らかにする。
「なぜある装置や材料の日本のシェアが高いのか」を分析・考察する。
前工程の装置と材料:
前工程は500~1000工程にもなるが、そのプロセスはシンプルである(図2)
直径200~300mmのシリコンウエハを基板に使う。
洗浄→成膜→リソグラフィでパターニング→エッチング→アッシングや洗浄→検査
決まった工程を30~50回以上繰り返す。(以外に、イオン注入、熱処理、CMPなどの工程がある)
前工程製造装置の企業別シェア:
この前工程に使われる主な製造装置の企業別シェアを図3に示す。
日本製装置のシェアが高いのは、
コータ・デベロッパ(92%)、
縦型拡散炉熱処理装置(93%)、
枚葉式洗浄装置(63%)、
バッチ式洗浄装置(86%)、
測長SEM(80%)などである。CMP装置はトップシェアではない。
しかし荏原製作所がロジック半導体でシェア30%を持つ。
これもシェアが高い装置にカウントする。一方、露光装置、ドライエッチング装置、CVDやスパッタなどの成膜装置、各種検査装置の日本のシェアは低い。
しかしこれらの装置には、多くの日本製部品や設備などが使われている。
その中でも特に、石英部品やセラミックス部品は、日本製が圧倒的に多い。
前工程材料の企業別シェア:
次に、前工程に使われる主な材料の企業別シェアを図4に示す。
シリコンウエハ、
各種レジスト、
各種CMPスラリ、
各種の高純度薬液など、日本のシェアが高い材料が非常に多いことが分かる。
日本の材料メーカーの存在感:
日本の材料メーカーは、装置メーカー以上に強力な存在感を示している。
- このように、日本には特徴的にシェアが高い装置がある。
- シェアが低い装置でも部品や設備には日本製が多い。
- また、ほとんどの材料について、日本のシェアが高い。
装置、材料、部品の分類:
日本のシェアの高低について分類した。
日本のシェアが高いものを分類すると、図5のようになる。
ポイントは2つある。
第1に、
液体に関係する装置や材料のシェアが高い。第2に、
熱をかけて固めた材料や部品のシェアが高い。第1を分類
さらに2つのカテゴリーに分けられる。一つは:
「ウエハが回転する枚葉式の装置とそれに使われる液体材料」である。具体的には、
- コータ・デベロッパとレジスト、
- CMP(ロジック用)とスラリ、
- 枚葉式洗浄装置と各種薬液である。
黄色い矢印は、相関関係があることを示す。
もう一つは:
「装置内部で液体や気体が循環(回転)する装置」である。それは、「バッチ式洗浄装置と縦型拡散炉」である。
縦型拡散炉:
この縦型拡散炉には、石英部品が多数使われる。
石英部品
この石英部品は、圧倒的に日本のシェアが高い。ウエハとセラミックス部品
同じようなものとして、シリコンウエハと各種セラミックス部品がある。これらに共通するのは、熱をかけて固めた材料や部品であるということだ。
日本は「物理より化学」が得意:
日本のシェアが高い装置、材料、部品を分類してみた。
日本は「物理より化学」の領域で、強みを発揮していると言える。
日本のシェアが低い装置の分類 :
一方、日本のシェアが低い装置を分類すると、図6のようになる。
基本的にドライな装置の日本シェアは低い(ただしArF液浸は除く)
ここでもポイントは2つある。
第1に:
光や電子ビーム装置の日本シェアは低い。
それは、検査装置や各種露光装置である。ここで、CD-SEMでは日本のシェアが高いので、この分類では例外となる。
第2に:
プラズマを使う真空装置に関係する日本のシェアは低い。具体的に言うと、
- ドライエッチング装置、
- CVD装置、
- PVD装置(スパッタ装置)である。
最先端露光装置であるEUV(極端紫外線)露光装置もこの分類に入ってくる。
「化学より物理」の要素が強い装置で、日本シェアが低いと言える。
日本人と欧米人の発想の違い :
欧米人の発想:
- 欧米人の発想は、理論が先である。
- 開発初期に議論し、方針を一本化する。
- その上で、規格、ルール、ストーリー、ロジックをつくる。
欧米人技術者は、手先が不器用で実験が下手である。
欧米人技術者は一切実験をせず、テクニシャン職種に任せる。
日本人の発想:
- 一方、日本人は、経験を基に直感的に手を動かして実験を行う。
- また、決められた枠組みの中で、最適化することを得意としている。
しかし規格やルールを作るのは苦手である。
日本人と欧米人:
日本人と欧米人では、発想や行動様式がまったく異なる。
それが、装置などのシェアの高低につながっていると推測できる。
次は、後工程/パッケージについて論じる。
– EE Times Japan
https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2112/14/news034.html