フュージョンエネルギー：世界初、トカマクプラズマを生成
Fusion energy: Japan and Europe generate tokamak plasma
聚變能源：日本和歐洲產生託卡馬克等離子體
ーJT-60SA、トカマクプラズマ実験に成功ー
ー日欧共同開発のトカマク型超伝導プラズマ実験装置ー
量子科学技術研究開発機構・開示情報からSummaryをお届けします。
量子科学技術研究開発機構：（QST）
日欧共同で、’フュージョンエネルギーの早期実用化’を進めてきた。
JT-60SA ※1で、初プラズマの生成（初めてのトカマクプラズマ※2）に成功しました。
トカマク型超伝導・プラズマ実験装置
JT-60SAは、世界最大のトカマク型超伝導プラズマ実験装置だ。
イーター計画※3と並行して日欧が共同建設した。
フュージョンエネルギーの早期実用化を目指し、日欧で共同開発中。
JT-60SAがトカマクプラズマ生成：
2023年5月から、JT-60SAの統合試験運転※4を再開した。
現在、超伝導コイルの冷却、通電試験等も、正常に連続稼働中。
10月23日17:30（日本時間）：
JT-60SAが、トカマクプラズマ生成に初めて成功した。
JT-60SAシステムの機能実証：
JT-60SAが、’各構成機器が連動し、システムとして機能すること’を実証した。
QSTがITERを全面支援：
’JT-60SAで得られた知見’を、ITER及び将来の原型炉※5に積極的に活かす。
ITERの早期実用化に向け、中核的な拠点として引き続き邁進する。
https://www.qst.go.jp/site/press/20231024-1.html
※1 JT-60SA（JT-60 Super Advanced）とは：
日欧共同のサテライト・トカマク計画。
茨城県那珂市のQST施設：
現時点では、世界最大のトカマク型超伝導プラズマ実験装置である。
サテライト・トカマク計画の目的：
イーターの技術目標達成のための支援研究、
原型炉に向けたイーターの補完研究、
および人材育成だ。
JT-60SAの能力：
-269℃（絶対温度約4K）に冷却された強力な超伝導コイルを使用。
１億度に達するプラズマを閉じ込める。
※2トカマクとは：
高温プラズマを磁場により閉じ込める方式の一つ。
外部コイルによって作られる主たる磁場
周方向のトロイダル磁場と、プラズマ中に周方向の電流を流す。
ことにより作られる径方向のポロイダル磁場を組み合わせる。
高温プラズマを閉じ込める。イーターもトカマク型の装置。
※3イーター（ITER）計画
日本、欧州、ロシア、米国、中国、韓国、インドの７極の国際協力。
フュージョンエネルギーの科学的・技術的実現可能性を実証する計画。
入力エネルギーの10倍のフュージョンエネルギー（Q≧10）を得ることが目標。
※4統合試験運転
JT-60SAの動作を確認するために行う一連の運転。
１．JT-60SAの真空排気から始まり、超伝導コイルの冷却と通電試験。
２．その後実際にプラズマを発生させ、JT-60SA全体の動作を確認する。
一連の運転を指します。
※5原型炉
原型炉とは、JT-60SAやイーターの成果に基づいて建設される次期装置。
フュージョンエネルギーによる発電と経済性を実証する装置。
現在、世界各国で原型炉の概念設計が進められています。