豊橋技科大:電界結合で水中無線電力伝送 – 水中ロボットの充電:
TUT:underwater wireless power transmission by electric field coupling – for underwater inspection:
丰桥技术大学:通过电场耦合实现水下无线电力传输 – 用于水下检测机器人的开发
~水中点検ロボットで構造物の劣化をいち早くキャッチ~
<概要>
豊橋技術科学大学: 田村昌也准教授らの研究チーム
電界結合を用いて淡水中での無線電力伝送に成功しました。
無線電力伝送の世界では、淡水は非常に損失の大きな誘電体としてふるまいます。
従来、電界結合による水中での無線電力伝送は困難だとされてきました。
今回、淡水の高周波特性を実験により明らかにしました。
電界でも
’高効率に伝送できる周波数帯’と
’高効率化を実現する’電極構造’
を発見しました。
<詳細>
無線電力伝送:
今まで、陸上環境での研究が主でしたが、次のターゲットとして水中環境が期待されています。
構造ヘルスモニタリングシステム:
配管や冷却塔、ダムの堤体壁面など構造ヘルスモニタリングシステムにおいては、自由に移動でき、災害時でも調査が可能な水中点検ロボットの開発が急務となっています。
しかし、ロボットはバッテリ駆動のため、充電のために何度も引き上げ、再び潜航させるという作業を繰り返す必要があります。
この充電作業による運用効率低下を回避するため、水中での無線電力情報伝送(給電ステーション)の技術開発が必須です。
無線給電できる電界結合器を開発:
研究チームは淡水中でも、無線給電できる電界結合器を開発。
これにより、送電距離2cm で 90%以上、5cm で 80%以上の電力伝送効率を実現。
実際に淡水を介した無線電力伝送でセンサモジュールを駆動し、赤外線によるデータ通信にも成功。
また、400W の電力を送電距離 2cm で送電しても、電力伝送効率 90%以上を維持。
給電ステーションに着底することを考えると、実用に耐えうる効率と考えられます。