試作したSPADの断面図
(出所:ソニー各社の研究グループとIEDM)
ソニー:自動運転LiDAR素子に参入:SPADを試作(動画):
Sony:Auto driving LiDAR element:SPAD (Single Photon Avalanche Diode):
索尼:进入自动操作激光雷达元件:SPAD(单光子雪崩二极管)
ー業界最高水準の効率達成ー
2020.12.25
ソニー:
自動運転の中核となるLiDAR(Light Detection and Ranging)部品の開発に参入する。
半導体素子の学会:
ソニーが、近赤外レーザー光の受光素子について発表した。
イメージセンサーに加えて、LiDAR部品を手掛ける。
自動車事業でさらに攻勢をかける。
自社で開発中の自動運転車の性能向上にも一役買いそうだ。
IEDM 2020で発表:
ソニーセミコンダクタソリューションズ:
ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング:
SPAD(Single Photon Avalanche Diode)
受光素子となるSPAD:単一光子アバランシェダイオードを試作した。
2020年12月12~18日に開催された「66th International Electron Devices Meeting(IEDM 2020)」で発表した。
3DセンサーやLiDAR:
スマートフォン向けの3次元(3D)センサーや自動車用の長距離LiDAR。
ToF(Time of Flight)方式で測距するのが一般的である。
近赤外のレーザー光を照射し、対象物で反射して戻ってくるまでの時間を算出して、距離を測る。
ToF(Time of Flight)方式:
- ToF方式は、測定方法によって
- 間接方式(インダイレクトToF、iToF)と
- 直接方式(ダイレクトToF、dToF)の2つに大別できる。
このうち自動車向け長距離LiDARで多用されるのが直接ToFである。
ソニーは直接ToF向けの受光素子として高感度なSPADを試作した。
ToF向け受光素子SPAD:
SPADを2次元にアレー状に配列して距離画像を取得する。
SPADは、APD(Avalanche Photodiode)を「ガイガーモード」で動作させ、入射してきたフォトン(光子)の数を数える。
- フォトンカウンターとして使われる。
- 入射した1つの光子から大量の電子と
- 正孔のペアを雪崩のように大量に生じさせる
「アバランシェ(雪崩)現象」を利用して受光感度を高めており、長距離測距に向く。
SPADの効率指標PDE:
ソニーは、SPADの構造を工夫することで、効率を高めた。
940nmの近赤外光に対して、SPADの効率の指標となる「PDE(Photon Detection Efficiency)」を14.2%まで高められた。
従来のSPADに比べて、3~4倍ほど大きい。
日経クロステック(xTECH)