MHIのTFコイル:フランス核融合原型炉に出荷
MHI’s TF coil: Shipped to French fusion DEMO reactor
三菱重工的TF線圈:運往法國聚變DEMO反應堆
ー欧州・米国・中国・インド・ロシア・韓国・日本が参加ー
ー欧州・日本が、超伝導コイルを共同制作ー
三菱重工の適時開示からサマリーをお届けします。
MHIのTFコイル:
5基の全てを完成した。9月中に神戸港から、本機を出荷予定
MHIのITER機器:
三菱重工ダイバータなど、核融合原型炉の設計・開発で、核融合エネルギー実現を支援する。
日本のQSTが、核融合実験炉イーター(ITER)から受注したもの。
世界最大規模の超伝導コイル:
MHIは、トロイダル磁場コイル(TFコイル)の最終号機を完成した。
TFコイル19基を日欧で製作:
そのうち9基を日本で、10基を欧州で分担して製作する。
このうちMHIが、5基の製作を受注。
TFコイルの内側構造物:
ただし内側構造物については、MHI二見工場が、19基分を全て製作する。
MHIのTFコイル完成:
2020年1月、MHIはITER向けTFコイルの初号機を完成した。
今回、完成済のTFコイル4基を、神戸港から南フランスへ順次輸送する。
現地で据え付けが進められている。本機も今月中に神戸港から出荷予定。
TFコイルとは:
高さ16.5m、幅9m、総重量300トンの巨大な超伝導コイル。
ITER向けTFコイルは、炉内で核融合反応を起こす。
その為、1万分の1以下の製作精度が要求される。
MHIのITER機器:
ITER運転開始に向けTFコイルのほか、
ダイバータ(注1)
水平ランチャー(注2)
主要機器の開発・製作に取り組んでいる。
核融合原型炉の開発:
また、ITER計画に続き、核融合原型炉の建設が計画されている。
MHIは、核融合原型炉の設計、開発も支援する。
ITER計画とは:
核融合エネルギー実現に向け、科学的・技術的な実証を行う。
国際プロジェクト:
日本・欧州・米国・ロシア・韓国・中国・インドの7極が参加。
フランスのサン・ポール・レ・デュランス市でITERを建設中。
今回の成果:
ITERには、超伝導コイルが絶対不可欠。
ITERのプラズマ閉じ込めのために、高精度で高い磁場(12テスラ)が必要。
このためニオブ・スズ超伝導体を用いた超伝導コイルの開発が不可欠。
超伝導状態での稼働維持:
マイナス269度の極低温状態で稼働する必要がある。
極低温に耐えうる特殊ステンレス鋼の構造材料と、その製作技術が求められた。
ITERのTFコイル:
これまでにない世界最大のニオブ・スズ超伝導コイルだ。
QSTとMHI:
2005年から、日本のQSTが、TFコイル製作技術研究を開始。
2012年から、三菱重工が、TFコイル共同製作に参加。
QSTは、ITER計画の日本国内機関として、調達活動を推進する。
ニオブ・スズ超伝導体の巻線:
両者で協力し、ニオブ・スズ超伝導体を高精度で巻線する技術を開発。
また、構造材料に特殊ステンレスを採用し、極低温での耐久性を克服。
更に、溶接による変形を抑制する製作工法を考案した。
これにより、ITERで要求される高精度TFコイル製作に成功。