JAXAとNEC:衛星間で高速光通信に成功!
・OLLCT・OGLCTで、地上局へ大量データ伝送実現
・通信光波長1.5μm帯、通信速度1.8Gbpsは世界最速
ImpressWatch掲載記事からSummaryをお届けします。
光衛星間通信システム:(LUCAS:ルーカス)
1.日本のレーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4)は、LUCASを搭載する。
2.NECの中継衛星(4万km先)との、光通信データ伝送に成功。
NECの光データ中継衛星:
NECが開発した光データ中継衛星は、静止軌道上の衛星である。
2020年から、NECは光データ中継衛星(OGLCT)を開発し、LUCAS(OLLCT)との接続に挑戦中。
JAXAの先進レーダ衛星:「だいち4号」
2024年7月、JAXAが「だいち4号」を打上げた。
1.「だいち4号」は、地球観測衛星用・光ターミナル(OLLCT)を搭載している。
2.光データ中継衛星は、静止衛星用・光ターミナル(OGLCT)を搭載している。
今回の光通信は、光ターミナル(OLLCT)と光ターミナル(OGLCT)間で、成功したもの。
従来方式のデメリット:
地上との直接データ通信に制限あり:
1.観測衛星は、常に地球を周回するので、地上との直接データ通信には制限あり。
2.直接データ送信可能なのは、衛星が受信施設上空を通過する時間帯のみだ。
光通信方式のメリット:
光中継衛星は常時通信が可能:
1.光データ中継衛星は、日本の上空に静止衛星として、配備されている。
2.だから光データ中継衛星は、いつでも地上にデータを伝送できる。
なお、光データ中継衛星から地上へのデータ伝送は、電波で行なわれる。
NECの光通信方式の特長:
通信傍受や妨害防止、秘匿性が高い:
1.電波と比べて指向性が高く、他の通信システムへの干渉が少ない。
2.通信傍受や妨害は難しく、秘匿性が高い。
電波通信では、直径60kmの範囲で傍受が可能であるが、光ビームではこれが560m以内で小さくなる。
衛星同士の正確な位置把握:
衛星同士の正確な位置を把握して、通信を確立する必要がある。
1.NECが開発した光衛星間通信システム(LUCAS)では、衛星同士の位置を特定。
2.あらゆる方式での補足・追尾により、素早く正確な通信を実現した。
だいち4号のテスト結果:
1月10日、だいち4号は10m分解能/200km幅で、撮影を30分行った。
撮影を行ないながら、光データ中継衛星に逐次データ伝送に成功。
ほぼ地球全周の約1/3となる13,000kmの大容量データを即時伝送した。
公開された画像データ:
1.北極海の海水:
2.ハンガリーの首都ブダペスト:
3.ナイジェリアの自然保護区:
「10m分解能の高解像度で、撮影したこと」を確認できる。
今後のLUCAS開発:光データ中継衛星
国際宇宙ステーション「きぼう」との光通信、光地上局の開発、航空機とのデータ中継実験を実施。