中融国際信託:元利払いを履行出来ず
Interbank International Trust: Unable to pay principal and interest
中融國際信託:無法償還本息
ー中国不動産危機とノンバンクの支払い停止ー
ー中植企業集団が20兆円の資産を管理ー
hisayoshi-katsumata-worldview掲載記事からサマリーをお届けします。
中融国際信託が支払い停止:
中国では、不動開発企業の経営危機と、ノンバンクの支払い停止が重なった。
ウォール・ストリート・ジャーナル :
8月20日、「中国版リーマショックを懸念」と題する記事を掲載した。
中国資産運用大手の財務が、圧迫されている。
中融国際信託の懸念
複雑な金融商品を販売する中融国際信託が市場の懸念材料となっている。
2022年末、資産1080億ドル(15兆7000億円)を運用していた。
元利払いの履行不能:
中融国際信託は、中国上場企業3社に対し、信託商品4本の元利払いを履行で出来ず
証券取引所への提出書類で、その額は合計1400万ドル相当に上る。
今後、元利払い不能が起らない保証はない。
貸付先は、不動産開発業者に建設プロジェク十が殆ど。
中融国際信託とは
金融コングロマリット中植企業集団の傘下。
中植は複数の資産運用会社を所有している。
返済問題やデフォルトが膨らめば、中国で販売された投資商品で問題が起きる。
ソーシャルメディア:
個人投資家が、中植の傘下企業から、支払いを受け取っていないと投稿した。
地元当局に苦情が寄せられている。
両社はこの件で、正式な回答をしていない。
KPMGが監査
現在、数千人の顧客への支払いを停止した。
KPMGが、中植企業集団の資産内容洗い出しを実施。
資産売却し預託金を償還する段階を迎えた。
償還が円滑に行われるかどうかが不明だ。
中国の信託業界
長年、不動産開発業者の資金源だった。
業界全体の信託財産は、3月時点で2兆9000億ドルに上る。
ガベカル・リサーチ
アナリスト、シャオシー・チャン氏
中植企業集団はブラックボックスだ。定期的な情報開示をしていない。
非公開企業で、同社がどういう資産に投資しているのか知らない。
中国のシャドーバンクと不動産:
碧桂園控股の経営危機とも絡む。リーマン・ショック再来が懸念されている。
中植以外のノンバンク:
今回は、ノンバンクの支払い停止よりも、深刻な事態が同時に起っている。
中植以外のノンバンクにも支払い停止が起るか、それも焦点である。
ノムラ総研のリポート:2023/08/08
既に中国の不動産業界で、開発業者・数十社がデフォルトした。
多くの投資信託が、不動産部門の持ち高解消を進めている。
投資信託の不動産部門持ち高:
3月末時点で約1550億ドル相当(22兆5000億円)
これが現在、大きな危機に直面している。
https://hisayoshi-katsumata-worldview.com/archives/33082778.html