高高度・長距離のシャヘド:イラン製ドローンが世界の脅威
High-altitude, long-distance Shahed: Iranian drones are a global threat
高空遠程 沙赫德:伊朗無人機構成全球威脅
・大型「シャヘド129」改良型「シャヘド139」スパイ型「シャヘド147」
・イラン最新ドローン開発、他国への販売動向
クーリエ・ジャポン掲載記事からSummaryをお届けします。
イラン製ドローン:
戦争を激変させた「イラン製ドローン」が、今世界の脅威になっている
ウクライナでの戦争以降、戦争でドローンが頻繁に使用されるようになった。
そんななか注目されているのが、イラン製のものだ。
米メディア「ブルームバーグ」が、その真相に迫った。
イラン製ドローンが世界に拡散:
2024年1月、スーダン国軍と戦う反政府勢力が、ハルツーム近郊でドローンを撃墜した。
イランのテクノロジーが、世界の武器貿易を変えつつある。
イランのドローン製造が急増:
1.過去2年間、ロシアなど5ヵ国で、イランのドローン製造が急増している。
2.少なくとも12か国が、イラン製部品を使用し、イランから技術支援を受けた。
しかし、ドローンが広く使われることで、中東地域は不安定化する。
イランの自爆型ドローン開発:
イランが報復攻撃で、自爆型ドローンを多用している。
1.’イスラエルの在シリア・イラン大使館空爆’に対し、イランが報復攻撃、
2.2024年、在ヨルダン・米軍基地に対し、イランが報復攻撃、
各国軍隊や民兵が使用:
各国の軍隊や民兵は、イラン製ドローンを使用、4大陸の紛争で確認された。
イランが、’芝刈り機モーターで動くドローン’を生み出した。
国務省のイラン担当副特別代表:マシュー・マクニス
2019年から2021年、マシュー・マクニスは、国務省のイラン担当副特別代表を務めた。
1.イランは、ロシアにドローンを販売したことを否定している。
2.しかし、2022年2月侵攻前に「少数のドローン」を送ったことを認めた。
国連イラン政府代表部:ブルームバーグでの声明
3.イランは、紛争地で兵器が使用されることを懸念する。
4.他国と紛争中の当事者との武器取引には関与しないと述べた。
在ヨルダン・米軍基地をドローンで攻撃:
シリアの紛争監視団体・ETANAシリアのメンバーが証言した。
1.1月、在ヨルダン・米軍基地に対する攻撃では、イラン製ドローンが使われた。
2.駐留していた米無人偵察機を追跡し、その防衛網に侵入した。
ドローンで米無人偵察機を追跡:
イランはウクライナでの経験で、無人偵察機の追跡作戦でドローンを採用。
イランとロシアは、ドローンの作戦手法を、お互い学ぶ。
イランはイエメン・フーシ派を支援:
紅海では、イランがイエメン・フーシ派を支援する。
1.貨物船に無人偵察機を送り、ミサイルを撃ち込んだ。
2.2024年、’スエズ運河経由の貿易を、50%以上削減すること’に成功した。
イランはシリア・イラク民兵組織を支援:
イランは、シリアとイラクの民兵組織を支援する。
1.10月にガザで戦争が勃発。
2.以来、ガザの米軍基地を何十回も空爆。
国連の対イラン規制が失効:
2023年10月、ガザの戦争勃発で、国連の対イラン交渉が決裂した。
1.2018年国連は、対イラン規制(=イランのミサイルとドローン販売禁止)に失敗。
2.2020年1月米国が、イランのカセム・ソレイマニ司令官をバグダッド空爆で殺害。
イラン革命防衛隊の最新ドローン:
イラン革命防衛隊が、テヘラン航空宇宙博物館で、最新兵器を公開した。
イランの「シャヘド139」:
シリアに配備された中高度・長距離の大型ドローン「シャヘド129」の改良版「シャヘド139」などだ。
イランの「シャヘド147」:
高高度・長距離のスパイドローン「シャヘド147」も公開した。
米軍が利用するノースロップ・グラマン社のグローバル・ホークに匹敵する。
ドーハ国際海事防衛展:「シャヘド149 ガザ」
2024年3月カタールで、年次のドーハ国際海事防衛展が開催。
イランは、翼下にミサイルのバッテリーを搭載したドローン「シャヘド149 ガザ」を公開。
1.航空距離は2500㎞イでスラエルに到達できる。
2.ドローン翼下に、13発の爆弾を積載できる。
3月13日、イラン国防相が発表した。
1.イランは、ドローン用エンジンをすべて自力で生産している。
2.2年間で、イランの武器輸出全体が4~5倍に増加した。
「シャヘド136」の部品:
1.ウクライナの独立反汚職委員会がその残骸を分解した。
2.「シャヘド136」の部品は、ほとんどが欧米のものだ。
米アナログ・デバイセズの通信チップ:
英国の電子機器販売会社が、2649香港ドル(5万5000円)でオンライン販売。
米テキサス・インスツルメンツのマイクロコントローラー:
290香港ドル(6000円)で購入可能だった。
イランの国営ドローンメーカー:
必要な部品を、裏ルートのサプライチェーンから購入している。
2020年以降に公開された米国の複数の起訴状に記載されている。
イランは友好国と共同開発:ETANAの報告書
1.ドローン部品は、シリアからレバノンのヒズボラに日常的に密輸されている。
2.ヒズボラは、製造指導も受け、イスラエルと戦うためドローンを製造している。
2010年、イランは、ヒズボラ向け納入部品の全費用を負担することに同意した。
イランは友好国ロシアと結託:
ロシアは、イランに11億6000万ドル(1850億円)を支払う。
1.ロシアは、2025年までに「シャヘド136」を6000機製造するとのこと。
2.イラン革命防衛隊は、同機は50㎏の爆薬を2500㎞運搬できると主張する。
イランの世界ネットワーク:
1.イランは、は最近、7年間断絶していたスーダンとの関係を回復した。
2.スーダンの武装勢力は、2022年3月、ドローンを製造したと発表した。
アフリカの他の地域:
エチオピアもイランの無人偵察機を使って2つの前線で反乱を鎮圧している。
中央アジアのタジキスタン:
米国に協力的な中央アジアのタジキスタンも、イランの革命防衛隊に協力している。