欧州洋上風力発電:英国、オランダ、ノルウェーが延期
European offshore wind power generation: UK, Netherlands, Norway postponed
歐洲離岸風力發電:英國、荷蘭、挪威延後
ー設計上の問題、建設コストの上昇ー
ー脱炭素目標42.5%達成は困難ー
ロイター掲載記事からサマリーをお届けします。
欧州洋上風力発電に逆風:
サプライチェーンが混乱、
風力発電装置の設計上の問題発生、
インフレで、建設コストの上昇、
EUは、嵐のような逆風にさらされている。
開発プロジェクト頓挫:
数十件の開発プロジェクトが中止になった。
EUの気候変動目標達成に、大きな影響を与える。
EUに目標のプレッシャー:
EUは2030年までに、「エネルギーの42.5%を、再生可能エネルギーで賄う」のだ。
「法的拘束力を持つ目標を最終決定したEU」にプレッシャーが罹る。
業界団体ウインドヨーロッパ:
EUが、新目標42.5%達成を決定した。
EUが再生可能エネルギー比率を、現在32%から新目標の42.5%に引き上げる。
風力発電量の底上げが必要:
風力発電量を、今の205GWから420GWへ2倍以上引き上げが必須。
洋上風力発電容量を、17GWを103GWへと大幅増加が不可欠。
今後、さらに大幅な設備投資が必要だ。
洋上風力開発中止が多発:
しかし、英国、オランダ、ノルウェーの洋上プロジェクト。
今年に入って、コスト高と供給網の制約で、延期または棚上げになった。
洋上風力業者応札がゼロ:
また、英国では再生可能エネルギー向け補助金の入札で、洋上風力開発業者からの応札が皆無だった。
ジュピター・アセット・マネジメント
投資マネジャー、ジョン・ウォレス
2030年目標達成は無理:
これがプロジェクト長期休止につながれば、2030年の再生可能エネルギー目標達成は厳しくなる。
洋上風力産業が警告:
1.オルステッド(ORSTED.CO)
2.シェル(SHEL.L)
3.エクイノール(EQNR.OL)
4.シーメンス・ガメサ
「現在の洋上風力産業の規模では、気候変動目標達成は無理」と警告していた。
「輸送コストや原材料の高騰、金利上昇、インフレ」で、利益が圧迫された。
ドイツのエネルギー大手RWE: マルクス・クレッバーCEO
洋上風力発電産業は脆弱:
今後とも、さまざまな問題が重なり、気候変動目標達成が危うい。。
洋上風力発電は、「タービンの規模が、この10年で2倍」になった。
しかし、「開発競争が性急すぎるとの指摘」が、アナリストの中から出ている。
サンダー・サイド・エナジー:ロブ・ウェスト
しかし、大型化すればするほど故障しやすくなると指摘する。
ブレードは、大きくなれば、たわみが大きくなる。より剛性の高い補強材が必要だ。
シーメンス・ガメサ:
今年6月、最新陸上風力タービン2基で、品質問題が発生した。
問題解決に、16億ユーロ(17億ドル)の費用がかかる。
Gキューブ・インシュアランス:フレイザー・マクラクランCEO
再生可能エネルギー事業向け保険:
「風力発電事業者からの保険金請求額」が急増し、深刻度が高まった。
「メーカー、デベロッパー、サプライヤー」に、リスキーなビジネスになった。
存続の危機に直面している企業も多い。
シーメンス・ガメサ:ヨッヘン・アイクホルトCEO
ガメサの洋上風力発電事業:
当社は、陸上風力発電とは異なる問題に直面した。
生産拠点の建設遅れ、供給網の混乱、品質の高い部品の不足などだ。
ベスタスのタービン事業:
受注残解消に、苦戦している。年内一杯、供給網の混乱が続く。
英国風力発電の入札が低調:
英国は、2030年に洋上風力発電を3倍、50GWに拡大する。
しかし、10月8日の入札では、風力発電事業者からの応札がゼロ。
再生可能エネルギー事業者の苦難:
大手石油・ガス会社に、入札で競り負けているのだ。
欧州委員会は今月、包括的な支援策を打ち出す方針を示した。
https://jp.reuters.com/world/europe/LTFLEH6UAZM45PRL6YPJ4QORGA-2023-10-01/