産総研:太陽電池の出力低下抑止:メガワット級太陽光発電所のPID防止:
AIST:Suppressing solar cell output drop:Preventing PID in mega solar plants:
AIST:抑制太阳能电池的输出下降:防止兆瓦级太阳能发电厂的PID
新技術の特長:
- メガワット級太陽光発電所で発生する「高電圧印加により誘起される出力低下」を十分に抑止
- 「太陽電池セル表面を透明かつ導電性の膜で被覆するだけ」の簡便な手法で、技術移転が容易
- 「太陽電池セルの電極断線による性能低下」も十分に抑止
「産総研」:太陽光発電研究センター
「産総研」太陽光発電研究センターは、電圧誘起劣化(PID:太陽電池が短期間で大幅に低下)を、「太陽電池セル表面を透明導電膜で被覆するだけ」で、十分に抑止できる技術を開発しました。
電圧誘起劣化(PIDとは:
PIDは高電圧印加により太陽電池モジュールの性能が、短期間で大幅に低下する現象です。
特に、メガワット級の太陽光発電所で、多く発生しています。
従来の技術:
これまでに、PIDの進行が遅れるものの、完全に抑止できていません。
製造コスト増や初期変換効率低下などの課題もありました。
今回の技術:
従来型の結晶シリコン太陽電池セル(表面に反射防止膜がある)を、「透明導電膜で被覆することにより、反射防止膜にかかる電界を遮蔽する技術」です。
- PIDを十分に抑止でき、発電量低下のリスクを回避できます。
- 初期変換効率をほとんど低下させず、安価・簡便な手法です。
- 今まで、太陽電池セル表面の電極が断線した場合、断線した箇所のキャリアは収集できまsんでした。
- しかし、今回開発したセルでは、「断線箇所のキャリアも透明導電膜を介して収集可能で、発電性能が低下しない」という副次的効果もあります。
さらに、従来用いられてきた安価な太陽電池部材やセル・モジュール製造工程をそのまま用いることができます。
製造コストはそのままで、容易に産業界に技術移転できます。
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2019/pr20191217/pr20191217.html