産総研:厚さわずか数分子、2次元有機単結晶ナノシートの大面積成膜に成功

産総研:厚さわずか数分子、2次元有機単結晶ナノシートの大面積成膜に成功

-印刷できる高速有機集積回路基板-

発表のポイント

有機半導体は、簡便な印刷プロセスにより低コストで製造でき、次世代電子材料として注目されているが、シリコンなどの無機半導体と比べて、良質な単結晶の大面積作製が困難であり、かつ非常に大きな接触抵抗を持つため、高速な動作が難しいという問題があった。

有機半導体インクを用いた簡便な印刷技術によって、わずか数分子層の厚みからなる大面積2次元有機単結晶ナノシートを製膜するプロセスを開発し、同ナノシートを用いた有機電界効果トランジスタ(注1)において、世界最高レベルの応答周波数を達成。

高移動度と低接触抵抗を両立できる高性能の有機半導体を実現した。

有機半導体による高速演算可能な大規模集積回路応用の可能性を拓くものであり、IoT社会を担う低コストのフィルムデバイスを実現する基盤技術となることが期待される。

本研究成果は、米国科学雑誌「Science Advances」平成30年2月2日版に掲載されます。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2018/pr20180203/pr20180203.html