理研:高解像度X線イメージング検出器 – 200ナノメートルの構造を解像:
RIKEN: High-Resolution X-Ray Imaging Detector-Resolving 200-nm Structures:
RIKEN:高分辨率X射线成像探测器 – 分辨200纳米结构
高輝度光科学研究センター(JASRI)
理化学研究所 放射光科学研究センター(SPring-8)
神島化学工業
200ナノメートル(nm,nmは10億分の1メートル)の構造を解像できる高解像度X線イメージング検出器の開発に成功しました。
このX線イメージング検出器は世界最高の解像力を有し、これまでにない精細なX線画像を得ることができます。
SPring-8のホームページ:
200ナノメートルの構造・解像できる高解像度X線イメージング検出器の開発
-電子デバイスの非破壊検査の実現- SPring-8 Web Site
X線イメージング検出器:
世界最高の解像力を有し、これまでにない精細なX線画像を得ることができます。
X線画像を高解像度で取得したい場合、
薄膜シンチレーター[1]でX線を可視光に変換したのち、レンズで拡大、撮像する方法が用いられます.
しかし、これまでは、500ナノメートルの構造・解像が限界とされてきました。
研究グループ:
X線が可視光へ変換された後の結像過程に注目し、解像度の飛躍的な向上を目指しました。
特に、接合層の無い透明な5マイクロメートル(µm, µmは100万分の1メートル)厚の薄膜シンチレーターを開発し、光学特性を大きく向上させました。
その結果、X線撮像の理論限界に近い200ナノメートルの解像力を実現しました。
また、この性能を用いて、超大規模集積回路(VLSI)デバイス内部の300ナノメートル幅配線の撮像に成功しました。
VLSIの内部微細配線を”非破壊かつ実用レベルの画質で、可視化した”のは、世界で初めてです。
今回の結果:
今回開発したX線画像検出器により、簡単に解像度の高い透視像を得ることができます。
SPring-8[2]大型放射光施設の他に、小型X線源を用いた、電子デバイスの非破壊検査分野で、実用化が期待されます。
本研究は、米国の科学雑誌『Optics Letters』(3月15日付け)に掲載されました。
また、同雑誌のEditor’s pickに選出されています。
http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/press_release/2019/190315/