岩谷産業:揮発性有機化合物(VOC)を分解新触媒ーLa、Co等レアメタル活用:
Iwatani Sangyo: new catalyst for decomposing volatile organic compounds-rare metals La Co:
Iwatani Sangyo:分解挥发性有机化合物(VOC)的新催化剂-La和Co等金属
~貴金属を使用しないことで低コストと高耐久性を実現~
岩谷産業
大阪大学
2019/05/24
揮発性有機化合物( VOC)を分解するための触媒として、白金等貴金属を使用せず、高熱耐久性を備えた、新たな触媒を開発しました。
これにより、VOC浄化装置の導入費用、触媒のメンテ費用を抑制できます。
現状の問題点:揮発性有機化合物( VOC)の分解
現在、白金等貴金属系触媒が広く使用されています。
しかし貴金属系触媒は、コストが高いことに加え、不純物(硫黄等)による被毒で、徐々に触媒性能が劣化するという問題があります。
これら被毒成分は、触媒を高温で熱処理することで除去されます。
しかし貴金属は、高温処理を施すと粒子間焼結・粒成長が進むことで表面積が小さくなり、触媒活性が低下します。
今回開発の触媒:貴金属不使用
今回新たに開発した触媒は貴金属を使用しません。
触媒活性種:ペロブスカイト型酸化物(LaCoO系)、
助触媒:アパタイト型酸化物(LaSiCoO 系)を選択しています。
- 貴金属触媒に比べてコストが安い。
- 触媒活性種、助触媒ともに高温耐久性が高い。
- 硫黄等で被毒された場合においても、高温熱処理で被毒成分を除去、触媒を再生可能。
これにより、VOC 浄化装置の初期導入費用を抑制するとともに、高温処理のみで触媒活性を回復
することでメンテナンスコストの削減が期待できます。
岩谷産業:
当社は今回の発明に使用されている La(ランタン)等の希土類元素や、Co(コバルト)等のレア
メタル原料を広く取り扱っています。
現在それら原料のアプリケーション開発を進める中で、大阪大学の持つ技術に着目したものです。
今後は、当社のガス分析技術を活用し、触媒製造メーカーと共同で事業化します。
http://www.iwatani.co.jp/img/jpn/pdf/newsrelease/1326/190524_news_jp1.pdf