TSMC:日本に進出する理由:後工程の開発拠点(動画):
TSMC: Reason for entering Japan: Development base for post-process:
台积电:进入日本的理由:后处理的开发基地
ーTSMCの本音はどこにある? ー
TSMCの地域別売上高:
2020年第4四半期のTSMCの売上高シェアに占める割合を見てみると、
1位:米国が73%と図抜けている。
2位:中国を除くアジアで12%、
ファーウエイへの半導体の出荷が停止となったため中国シェアは6%に急落。
そして、欧州6%、日本4%の順(図11)
TSMCのファンドリービジネス:
TSMCの視点から言うと、最大顧客となっている米国が一番重要だ。
「前工程の半導体工場を米国に建設する理由」は理解できる。
しかし、日本に来る理由は何も見当たらない。
では、なぜ、TSMCは「後工程の開発拠点を日本につくるのだろうか」
TSMCが日本に来る理由:
半導体製造装置の輸入:
TSMCが日本に来る理由は、
「前工程用に日本から、非常に多くの製造装置を輸入していること」が挙げられる(図12)
半導体材料を日本に依存:
つまり、
- シリコンウエハ、
- レジスト、
- フッ化水素をはじめとする薬液など、
半導体材料も日本依存度が極めて高い。
今回の日本への投資金額:
2021年、TSMCは過去最高の280億ドル(3兆円)の設備投資を行う予定と報道された。
しかし、日本の後工程・開発拠点への投資金額は、僅か200億円のみ。
日本の開発拠点に対し「200億円の投資金額で、優れた次世代の製造装置や材料の試作・開発」が可能になるのだ。
日本で試作・開発した後、台湾で大規模な後工程工場を作ればよい。
そこに、日本製の装置や材料を並べればいいわけだ。
【追記】
TSMCが2月9日付:ニュースリリース
「3DIC材料研究を拡大するために、日本に完全子会社資本金186億円を、設立することを承認した」と発表した。
3DICの材料開発が目的:
TSMCが日本につくる後工程の拠点の目的は、「3次元パッケージ(3DIC)に使う材料開発」であることが判明した。
日本の材料メーカーには朗報:
「日本の後工程用・材料メーカー」
TSMCとの共同開発で、ビジネスチャンスが拡大する可能性が期待される。
後工程用・装置メーカーには、残念ながらビジネスチャンスはないことになる。
中国との関係:
TSMCは、
- 前工程であれ、
- 後工程であれ、
- それに使う製造装置や製造材料を、
ほぼすべてを、日米欧から調達している。
TSMCは、
- 前工程で半導体を製造し、
- 後工程でパッケージングするに当たって、
- 中国に依存しているものは、一つもないのだ。
TSMCが日本に後工程の開発拠点をつくることは、「中国による影響力を抑えること」に何ら関係がない。
ビジネスジャーナル
https://biz-journal.jp/2021/02/post_207910.html
TSMC Board of Directors Meeting Resolutions
5. Approved the establishment of a wholly-owned subsidiary in Japan
to expand our 3DIC material research,
with a paid-in capital of not more than ¥18.6 billion (approximately US$186 million).