台湾のTSMC:日本で第3工場を建設へ
Taiwan’s TSMC: to build third factory in Japan
台灣台積電:將在日本建第三廠
~日本の半導体にチャンス到来
~TSMCの相次ぐ’脱・中国依存’
プレジデントオンライン掲載記事からSummaryをお届けします。
TSMCの熊本第3工場:
今年11月、台湾積体電路製造(TSMC)が、熊本第3工場の建設を検討中と報じられた。
1.AI利用増加に対応するため、生産施設拡充を加速。
2.回路線幅3nmのロジック半導体を製造の予定。
投資規模は2兆9000億円に達する模様。 詳細は明確ではない。
TSMCは、より安定した事業環境を求め、熊本第3工場の建設を検討している。
TSMCの熊本第2工場:
今年10月、TSMCは熊本第2工場で、回路線幅6nm先端半導体の生産を計画と発表した。
1カ月後、今度は回路線幅3ナノメートル、最先端の半導体工場建設を計画。
AI半導体急増に対応:
日本の半導体技術は、世界のAI利用拡大にとって不可欠の存在。
1.日本の半導体製造装置、超高純度の半導体部材が、AIを全面支援。
2.ラピダスは、1nmチップ製造を目指す。半導体技術が飛躍的に向上。
TSMCが日本と連携:
TSMCにとって、日本の半導体製造装置、関連部材産業との関係の重要性が高まった。
米エヌビディアのAIチップ:
TSMCは、現在台湾で稼働中の最先端半導体製造ラインを、日本で使う。
米エヌビディアの“H100”など、AI向けチップを製造する。
TSMCは、3nm製造ラインを持つ工場を、米アリゾナ州に建設する計画も表明した。
TSMCの「脱・中国依存」:
現在、台湾は中国からの潜在的な圧力に直面している。
TSMCと顧客企業:
TSMCは、地政学リスクの分散を進める。
安定したチップ調達体制を確立することが急務だ。
台湾の資源不足問題:
台湾では、半導体産業の急成長で、水・電力・人材が不足。
米国の人材不足問題:
米国では、人件・資材の高騰で、工場の稼働開始が後ずれする公算大。
そうした課題を、迅速に解決することが急務だ。
TSMCの弱み:
’AIが予想を上回るスピードで普及したこと’は、極めて重要だ。
1.TSMCは、現在、世界の需要に追い付けていない。
2.一方、AIなど先端分野のチップ需要が急増。
エヌビディアやマイクロソフト:
エヌビディア、マイクロソフトがAI対応半導体を自社設計・開発中。
この製造をTSMCに一括委託する。だから、供給能力が需要に追い付いていない。
TSMCの供給能力不足:
TSMCの供給能力不足の原因は、半導体製造・後工程のレベルにある。
前工程:前工程では、’シリコンウエハー上に半導体回路を形成する’
後工程:ウエハーを研磨しチップを切出し、ケースに封入。周辺機器と配線を施す。
TSMCは後工程が苦手:
1.TSMCは前工程に関しては世界トップだ。
2.しかし、TSMCの後工程技術は、発展途上なのだ。
台湾の後工程専門企業:
台湾には、日月光投資控股(ASE)のような、後工程専門企業が多くある。
しかし今は、チャイナリスク対策が一番重要なのだ。
TSMC以外の半導体メーカー:
実は、先端分野チップの後工程関連処理について、十分対応できていない。
3D半導体「後工程」の重要性:
日本企業の収益チャンスは、3D半導体の「後工程」にある
日本の企業は、既に「後工程」で世界的に高いシェアを確保した。
3D半導体後工程とは:
回路を形成したシリコンウエハーの研磨装置、封入材料などの分野だ。
TSMCは、前工程だけでなく、3D半導体後工程でも関連企業と連携している。
第1ステップ:グラインディング:前工程の6nmや3nm回路のウエハーを、研磨。
第2ステップ:ダイジング:集積回路をウエハーから切り出し、チップ形状にする。
第3ステップ:ダイボンディング:チップを、電子部品基盤と固着後、電極を付ける。
第4ステップ:モールディング:チップは衝撃に弱く、ケースに封入。
日本はサプライヤーの集積地:
米国、オランダ、シンガポールにも、多くの高技術力を持つ企業はある。
しかし、’前工程、後工程装置、部材の主要サプライヤー’は、全て日本に集中。
TSMCと日本のサプライヤー:
TSMCは、日本のサプライヤーとの連携を、より強固にしたい。
’台湾の後工程専業企業の対日投資’も増加する。
TSMCの事業多角化:
TSMCは、日本で車載用・半導体製造ラインを構築するのか?
1.TSMCとの連携強化で、日本の半導体製造の質が飛躍的に向上。
2.ラピダスの1nm回路線幅半導体との、相乗効果も期待したい。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0127cc1f7abecf6abba665af591e8ba52598f072