レアアースの密輸：中国の密輸撲滅キャンペーン
・欧米企業のレアアース危機が深刻
・ベトナム国境に密輸監視装置設置
Record China掲載記事からSummaryをお届けします。
シンガポール華字メディア：連合早報：
中国は、「許可なくレアアース（希土類）の国外に持ち出すこと」を禁止する。
中国の「密輸撲滅」キャンペーン：
１．このキャンペーンは、中国の国家戦略である。
２．中国レアアース産業への統制を強化するのだ。
7種類のレアアースの輸出禁止：
中国は4月4日、7種類のレアアース元素と、関連する磁石につき、輸出を停止した。
１．レアアースはすべてが、中国国内で加工されている。
２．今後輸出するには、許可が必要となると表明した。
対米関税の引き下げを要求：
中国は、米国や欧州に対し、次の事項を要求した。
１．先ず、中国製品に対する関税を引き下げること。
２．先端半導体など、高度製品の販売を認めてほしい。
米国、欧州企業は、レアアースを中国に依存してきたため、その不足が深刻化した。
2010年の日本との領土紛争：
中国は、2010年の日本との領土紛争の際、2カ月間のレアアース輸出を禁止した。
１．2009年から2013年にかけて、断続的に輸出制限を課した。
２．更に、世界のメーカーに中国国内への工場移転を迫った。
中国の組織犯罪シンジケート：大規模な密輸：
元々、大規模な密輸により、「中国がこれまで実施してきたレアアース輸出規制の効果」が薄れていた。
2010年まで、中国の組織犯罪シンジケートは、年間レアアース生産量の半分を、国外に密輸していた。
ボーイングやフォード、VW：
ボーイングやフォード、VWなど多国籍企業は、「合法生産と違法生産が混在するサプライチェーン」に依存していた。
しかし、最近の取り締まり強化の前から、違法輸送の規模は、大幅に縮小していた。
ボイシ州立大学：デビッド・アブラハム氏：
ボイシ州立大学のレアアース専門家、デビッド・アブラハム氏によると、密輸は以前ほど容易ではない。
中国商務部が共同声明発表：
生産と輸送のあらゆる段階で、レアアースの追跡を求めた。
１．戦略鉱物輸出管理は、国家安全保障と発展の利益に関わる。
２．今後、輸出チェーン全体の管理強化が、重要な鍵となる。
「新ライセンス制度はレアアースの軍事利用を制限すること」を目的とする。
１．欧米軍事企業は、中国のネオジム磁石に、大きく依存している。
２．ミサイルやドローン、戦車、大砲、戦闘機の製造が困難になる。
詳細書類提出を義務付け：
中国商務部は、中国の生産者に対し、詳細書類の提出を義務付けた。
１．中国企業に対し、誰がその物質を購入したかだけでなく、
２．文書で、海外でのレアアース使用詳細を中国に提出せねばならない。
３．将来的に、中国が特定企業や国を、攻撃することが可能になる。
MPマテリアルズ（CEO）：ジェームズ・リティンスキー：
カリフォルニア州マウンテンパスにある米国唯一のレアアース鉱山を所有するMPマテリアルズ。
ジェームズ・リティンスキー氏によると、これは本質的には情報収集活動になりつつある。
ベトナム国境の監視強化：：中国証券時報：
広西チワン族自治区が、南部国境沿いに、監視機能を備えたフェンスを構築。
１．コロナ禍前には、密輸業者が大量のレアアースを、中国に輸送していた。
２．唯一のベトナム精錬施設で、重レアアースの加工を中国以外で行っていた。
３．しかし、ベトナムの小規模精錬所は、1年余り前に閉鎖された。
もう一つの密輸方法：
もう一つの密輸方法は。2010年の中国による対日禁輸措置の際に用いられた。
レアアースを溶かして鉄骨に加工し、目的地で再溶解して、抽出するのだ。