図1 非線形光学現象による3次元蛍光イメージング
組織透過性の高い近赤外線のレーザー光を用いて、非線形光学現象で発生した蛍光を検出する。そのため、固定や染色を行っていない生きた組織でも、深部まで3次元的に観察することができる。
図2 ヒト子宮頸部の正常組織と子宮頸がんのイメージング画像
(左):正常組織のイメージング画像。細胞核(赤)はまばらで、細胞周囲に線維構造(緑)は認識できない。
(右):子宮頸がんのイメージング画像。がん細胞の核(赤)は腫大して密になっている。また、細胞の周囲に線維構造(緑)が出現している。
大阪大:がん、切らずに即診断:近赤外線レーザー生体イメージング(動画):
Osaka Univ: Cancer、diagnosis without cutting:infrared laser imaging:
大阪大学:癌症,无需切割即可立即诊断:近红外激光/生物成像
2020/7/23 23:00
大阪大、九州大、ニコン:研究チーム:
従来のがん最終診断:
従来は、がんの疑われる部分を切って、病理医が顕微鏡で観察・診断しました。
しかし、観察用標本を作るため、ホルマリン固定処置が必要で、時間がかかります。
また、「標本が少ないと診断が確定できないなどの課題」がありました。
今回の研究チーム:
「近赤外線レーザーを組織にあて、発生する光をとらえる生体イメージング」技術を活用。
がん組織を切ったり標本に固定したりせずに、3次元で観察できることを証明。
朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/sp/articles/ASN7P622DN7LPLBJ002.html?ref=amp_login
“光生検”切らずにその場でがんをすぐ診断
―イメージングで組織を傷つけずに立体観察、AIが自動診断―
2020年7月23日 プレスリリース
- 大阪大学
- 九州大学
- 株式会社ニコン
- 日本医療研究開発機構
研究成果のポイント:
生体イメージングの応用、ヒト組織を体から切り取らず染色せずに、生きたままヒト組織を3次元で可視化できる観察技術
AIによる画像解析を併用することで、従来の診断法よりも「傷つけずに」「迅速」「定量的」な子宮頸がんの診断が実現
発展途上国など病理医を含む医療専門職が少ない地域へ向け、IoTでがん組織診断の提供
概要
研究グループは、
子宮頸部を生きた組織のまま、ホルマリン固定や染色を行わずに、リアルタイムに3次元で観察できる方法を開発しました。
組織の切り取りが不要なこの観察法と、AIによる画像解析を併用することで、子宮頸がんやその超早期病変を、傷つけずに定量的に分類できます。
本研究成果は、米国癌学会雑誌「Cancer Research」のオンライン版に、2020年7月23日23時(日本時間)に公開されます。
国立研究開発法人日本医療研究開発機構