日本:南鳥島でコバルト、マンガンを試掘へ Japan: To collect cobalt and manganese in Minamitorishima 日本:在南鳥島收集鈷和錳

Press Releases < JAMSTEC

日本:南鳥島でコバルト、マンガンを試掘へ
Japan: To collect cobalt and manganese in Minamitorishima
日本:在南鳥島收集鈷和錳

ー地球深部探査船「ちきゅう」で採取ー

ー世界需要・数百年分の埋蔵量を確保ー

産経ニュース掲載記事からサマリーをお届けします。

日本のレアアース採取開始:

南鳥島(東京都)沖、海底で確認されているレアアース。

’2024年度から試掘開始すること’で、調整に入った。

試掘調査期間に、1カ月間を見込む。

複数の政府関係者が、10月21日明らかにした。

Revisiting the China–Japan Rare Earths dispute of 2010 | CEPR

日本のレアアース輸入:

レアアースは、ハイテク製品に欠かせない。

日本国内で利用するレアアースは、中国からの輸入が6割に上る。

試掘が成功すれば、日本独自でレアアース調達を開始する。

数百年分の埋蔵量:

南鳥島沖では、水深6000メートルの海底で、レアアースを含む泥が大量に確認。

東京大の調査では、世界需要の数百年分相当の埋蔵量がある。

地球深部探査船「ちきゅう」:

計画では、地球深部探査船「ちきゅう」から水深6000メートルの海底まで「揚泥管」を伸ばす。

深海から泥回収:

去年、茨城県沖の水深2470mの海底から泥回収に成功した。

1日当たり、70トンの泥を吸い上げる。

海底作業用・水中ドローン(ROV)を制作。

今年度補正予算案に、20億円を盛り込む。

Figure 4

JAMSTEC横須賀本部

試掘後の泥を、海洋研究開発機構(JAMSTEC)で分析。

将来的には、南鳥島に’泥の脱水や分離を行う拠点施設’を整備する。

Chinese leader Xi Jinping visits rare earths facility in Ganzou city - YouTube

中国の禁輸を断固阻止:

嘗て中国は、’尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件’を機に、レアアース対日輸出を実施した。

中国は今年も、レアアース規制・経済的威圧を、世界中で展開している。

https://www.sankei.com/article/20231021-5UZXTNA7UBLZFBRWNYSCU7DMJE/

出典修正.jpg

東大:南鳥島レアアース泥を開発開始

東京大学基金掲載記事からサマリーをお届けします。

中国のレアアース輸出規制:

現在中国が、レアアース生産で、世界の大半を占める。

2010年、中国のレアアース禁輸による「レアアース・ショック」

2019年、米中間でレアアースをめぐり緊張が高まった。

最近、中国のレアアース規制が、更に強化されている。

元素記号.jpg

 

東大がレアアース泥を発見:

深海泥が新レアアース資源となりうることを、2011年に発表した。

発見した「レアアース泥」は

(1) 高レアアース含有量を持つ

(特に重レアアースやスカンジウム)

(2) 深海底に広く分布し、資源量が膨大、

(3) 層状に分布するため探査が容易、

(4) トリウムやウランなど放射性元素を含まないクリーン資源、

(5) 希塩酸てレアアースが抽出可能である

まさに「夢の泥」といえるもの。

レアアース製品群

東大の分析成果

この南鳥島のレアアース泥は、

中国の陸上鉱山の20倍の品位を持つ。

世界最高品位の超高濃度レアアース泥だ。

およそ100 平方kmの有望エリアだけでも、日本年間需要の数百年分に達する。

採掘図

レアアース泥の開発システム:

Floating Production, Storage and Offloading system: FPSOを応用。

「エアリフト」技術

海底からレアアース泥を揚げるためには「エアリフト」技術を使う。

レアアースのリーチング(浸出)

レアアース泥から、希塩酸を用いてレアアースをリーチング(浸出)

リーチング溶液を輸送し、レアアースを分離・精製。

残泥に水酸化ナトリウムを添加、中和・無害化し、埋立資材やセメント資材、環境資材として使用する。

内閣府の「革新的深海資源調査技術」

2018年、レアアース泥の採泥・揚泥技術開発が開始した。

https://utf.u-tokyo.ac.jp/project/pjt124