Glide Phase Interceptor:日米共同でGPIミサイル開発開始 Glide Phase Interceptor: Japan and US jointly begin development of GPI missile 滑翔階段攔截彈:日美聯合開始開發GPI飛彈

新型迎撃ミサイル開発へ 日米、極超音速兵器に対処 - 産経ニュース

Glide Phase Interceptor:日米共同でGPIミサイル開発開始
Glide Phase Interceptor: Japan and US jointly begin development of GPI missile
滑翔階段攔截彈:日美聯合開始開發GPI飛彈

・日本は、GPIのロケットと弾頭の推進装置を担当

・イージス艦のMk41VLSに、GPIミサイル搭載へ

日経新聞掲載記事からSummaryをお届けします。

日米が新型迎撃ミサイルを共同開発:

新型GPIミサイルを、日米で共同開発する。

5月15日、日米両政府が、’新型迎撃ミサイル開発プロジェクトの取り決め’に署名した。

U.S. Department of Defense Statement on the Signing of the Glide Phase Interceptor Cooperative Development - U.S. Department of Defense

新型迎撃ミサイル開発の担当:

極超音速ミサイルを迎撃するための装備である。

1.日本はミサイルのロケット部分と弾頭の推進装置を担当。

2.米国は、迎撃弾頭の赤外線センサーおよび誘導システムを担当。

2030年代の完成をめざす。

RTX Adds its Distributed Radar Concept to Lower Tier Air & Missile Defense Sensors

日米の開発担当企業:

米側は、2社が候補となっている。

ノースロップ・グラマンとRTX(旧レイセオン・テクノロジーズ)である。

日本側は、2024年度中に公募で選定する。

U.S. and Japan to finalize deal next year on missile development - The Japan Times

日米首脳会談で合意:

2023年8月、日米首脳会談で共同開発に合意した。

日本政府は、2024年度予算に757億円の開発費を盛り込んだ。

米国防総省の試算:

新型GPIミサイル開発費は、日米で総額30億ドル(4600億円)超に達する。

日本は、このうち10億ドル(1500億円)を拠出する。

US and Japan Finalize Agreement for Glide Phase Interceptor Missile Defense System Development

極超音速ミサイルとは:

現在、中国・ロシア・北朝鮮が、極超音速ミサイルの配備を進めている。

音速の5倍以上の速さで飛行し、変則軌道をとるため迎撃が難しい。

1.GPIミサイルは、敵のミサイルが滑空中に迎撃する。

2.従来の迎撃システムと組み合わせ、対処力を高める。

従来の迎撃システムは、敵のミサイル着弾直前に撃ち落とす。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA15AHG0V10C24A5000000/

US and Japan sign agreement to co-develop hypersonic interceptor - TVI Today

GPIミサイル:日本はロケットモーターと推進装置を担当

JSF掲載記事からSummaryをお届けします。

日米共同開発のGPIミサイル:

5月15日、迎撃ミサイルGPI滑空段階迎撃用誘導弾)について、

日米の開発担当分野が発表された。

U.S. Department of Defense:

Statement on the Signing of the Glide Phase Interceptor Cooperative Development  

Japan will lead development of rocket motors and propulsion components of GPI.

日米共同開発の極超音速兵器迎撃ミサイルGPIで日本が開発担当する範囲はロケットモーターと推進装置(JSF) - エキスパート - Yahoo!ニュース

日本の開発担当分野:

日本は、GPIのロケットモーターと、GPIの推進装置の開発を主導する。

Electro-Optical and Infrared Sensors (EO/IR) | Northrop Grumman

アメリカの開発担当分野:

米国は、迎撃弾頭の赤外線センサーおよび誘導システムを主導する。

MK 41 Vertical Launching System (VLS) - YouTube

イージス艦用Mk41VLSに搭載へ:

1.イージス艦のMk41VLS(垂直ミサイル発射機)にGPIミサイルを搭載。

2.イージス艦から、GPIミサイルを発射する予定である。

1段ロケットには、既存のMk72ブースターを流用する可能性あり。

Kinetic interception as the basis of US missile defense

GPIの構成要素の予想:

GPIの詳しい構成要素はまだ未発表である。

おそらく、主推進ロケット2段+迎撃弾頭で、合計3段となるだろう。

1.第1段ロケット:既存の米国製Mk72ブースター又は日本開発の新型か?

2.第2段ロケット:日本開発担当分

3.迎撃弾頭:米国(センサーおよび誘導装置)と日本(推進装置)?

大気圏外迎撃ミサイル・SM-3の場合:

SM-3 は、GPIと同じサイズの大気圏外迎撃ミサイルだ。

主推進ロケット3段と迎撃弾頭で、合計4段である。

GPIミサイルに必要な機動性:

GPIミサイル弾頭は、空気抵抗が少なくても、高い機動性が不可欠だ。

Israel shoots down a ballistic missile in SPACE

GPIミサイル弾頭に推進システムを搭載:

迎撃弾頭に、推進システム搭載の可能性もある。

イスラエル・ミサイル「アロー」の事例:

イスラエル弾道ミサイル「アロー」の迎撃弾頭は、推進システムを実装済。

TVC(推力偏向制御)により、空力操舵に頼らない機動性を確保した。

Hypersonic missiles and European security: Challenges ahead - Finabel

各国の極超音速兵器迎撃ミサイル:

1.各国の極超音速兵器迎撃ミサイル計画は、現在10種類以上ある。

2.ただし、迎撃弾頭の構成要素が判明しているのは、次の5種類だ。

迎撃弾頭の構成要素:

1.日本、防衛装備庁:HGV対処用誘導弾

サイドスラスター+空力操舵方式

日本の計画は、要素研究だけで終わる可能性あり(予算が付けば実戦配備も)

2.ドイツ、DiehlIRIS-T HYDEF

サイドスラスター+TVC方式

欧州の計画は、統廃合される予定(未確定)

3.フランス、MBDA:アクィラ

サイドスラスター+TVC方式

欧州の計画は、統廃合される予定(未確定)

4.イスラエル、IAI:アロー4

空力操舵+TVC方式

アロー4の実用化はほぼ確実な予定(アロー2の改良型で開発失敗リスクが低い)

5.イスラエル、ラファエル:スカイソニック

空力操舵+TVC方式

スカイソニックは提案だけで終わりそうだ。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/9e1df2ef6373738ed7b1bf4b89e6641455d86f2a