スパコン:「Fugaku」連続で四冠達成:日本のSIMD技術(動画):  “Fugaku” achieved four crowns in a row: Japan SIMD technology:  “ Fugaku”连续四冠:日本SIMD技术

スパコン:「Fugaku」連続で四冠達成:日本のSIMD技術(動画): 
“Fugaku” achieved four crowns in a row: Japan SIMD technology: 
“ Fugaku”连续四冠:日本SIMD技术

ー米サミットより3倍速いー

スパコンの世界ランキングで、「Fugaku」が2期連続で四冠を獲得した。

「TOP500」:

  1. 1位の日本Fugakuが、442ペタ・フロップスを記録。
  2. 2位の米サミットが、149ペタ・フロップスの実績、
  3. 米サミットの約3倍に当たるスピード。

「Fugaku」の圧倒的な強さには、幾つかの側面がある。

外的要因で、Fugakuが浮上:

米国や中国の次世代機の開発が滞っている。

相対的にFugakuの強さが、浮き上がって見えるのだ、

米中両国での開発が難航:

今、米中両国は、1000ペタに該当する「エクサ」スケール・次世代スパコンを開発中。

しかし、米中両国とも、難航している模様。

その主な理由は、米中間の貿易規制や技術覇権争いにある。

エクサ・フロップスの実現:

「1秒間に100京回」の浮動小数点演算を行うスパコンを実現するには、

「基本的なアーキテクチャの革新」

と同時に、

「超高速プロセッサ(半導体)の実装」

高度な製造技術が、不可欠となる。

最先端半導体の製造が、不可欠なのだ。

世界最先端の台湾「TSMC」:

今、世界最先端のファウンドリは台湾「TSMC」

「TSMC」 は、5~7ナノ・メートルのプロセス・ルール(最少加工寸法)で、CPUなど半導体を製造することができる。

理研・富士通の共同チーム:

Fugakuに搭載されたCPU「A64FX」の製造を、TSMCに委託した。

ファウンドリとは:

半導体の開発は行わず、その製造に特化したメーカー。

米国は全て自力開発の予定:

次世代スパコン「オーロラ」は、米エネルギー省アルゴンヌ研究所に納入される。

インテルが、その設計・開発を受注した。

米国内にある自らの工場で、CPUを製造する計画。

つまり、

  1. TSMCに委託することなく、
  2. CPUの開発から製造までを、
  3. 米国内で済ませることにしたのだ。

これは米国政府の方針。

その理由は、恐らく中国を意識してのことと考えられている。

TSMCのような台湾メーカーに、

  1. スパコン中核部品の製造を任せてしまえば、
  2. 中国と台湾の間で緊張が高まったときに、
  3. 米国は部品の供給が受けられなくなる、

恐れがあるからだ。

米インテル、製造技術力に遅れ:

米インテルは、近年、半導体の製造技術で、TSMCやサムスンの海外勢に遅れている。

現時点で、5~7ナノ・メートルの最小加工寸法でCPUを製造することができない。

これが、「結果的にエクサ級次世代スパコン開発が、滞る」主な要因と見られている。

中国も、次世代CPU製造は無理:

中国は米国政府による貿易制限に苦しめられている。

昨年、米商務省エンティティ・リストに、中国のスパコン・メーカーが登録された。

中国は、米国の技術を使ってCPUを作ることができなくなってしまったのだ。

中国は、エクサ級のCPUを自主開発できるレベルに達しているかもしれない。

しかし、仮にそうだとしても、その製造を国内で済ませることができない。

なぜなら、中国国内には「SMIC」というファウンドリがある。

しかし、「SMIC」はTSMCに匹敵する製造技術を有していない。

政治的理由で開発に足枷:

結局、米中両国が開発中の次世代スパコンは、政治的な理由から開発に足枷がはめられたような状況となっている。

これがFugakuの相対的な優位性を、生み出す外的要因である。

日本のSIMD技術:表舞台に登場

SIMDは、伝統的に日本メーカーの得意とする技術でもある。

NECの「地球シミュレーター」は、SIMD型スパコンの代表。

PreferredNetworks(PFN):

日本のPreferredNetworks(PFN)が開発した「MN-3」も、SIMD型のプロセッサ「MN-Core」を搭載している。

  1. 先日発表された、スパコンの世界ランキング。
  2. その消費電力性能を競う「Green500」で、
  3. 「MN-3」が2位につけた(前回6月、首位にランク)

PFNは最近、HPC(高性能計算)分野で屈指の研究者・エンジニアを採用してMN-3を開発してきた。

SIMD型高速計算技術:

恐らく日本の伝統的技術が、PFN社スパコンに、活用されているはずだ。

富士通やPFN等、日本勢のスパコンが、世界のトップをほぼ独占。

つまり、「日本がこれまで脈々と培ってきたSIMD等の高速計算技術」が、「ここに来て、復活してきたこと」が、大きく影響しているようだ

現代ビジネス | 講談社

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/77526?page=1&imp=0