COVID-19:小野薬品の「フオイパン」登場:新型コロナ第Ⅰ相臨床試験へ:
COVID-19: Ono Pharmaceutical’s “Foipan” Appears: New Corona Phase I Clinical Trial :
COVID-19:出现Ono Pharmaceutical的“ Foipan”:新的电晕I期临床试验
COVID-19:
小野薬品工業:
6月5日、小野薬品/慢性膵炎治療薬「フオイパン」を、「COVID-19治療薬に転用するための、第Ⅰ相臨床試験(P1)を開始した」と発表した。
2020年8月に、結果が出る見通し。
その結果を踏まえて、新型コロナウイルス感染症患者を対象とした治験に進む。
「フオイパン」とは:
フオイパンは、慢性膵炎などの治療薬。
東京大学など複数の研究グループが、新型コロナウイルス感染症への有用性を示す報告を行っている。
作用機序:
感染時に発生するウイルス外膜と人間の細胞膜の融合を阻害するという。
化学工業日報
https://www.chemicaldaily.co.jp/
蛋白分解酵素阻害剤「フオイパン®錠」 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する臨床試験を開始
https://www.ono.co.jp/jpnw/PDF/n20_0605_3.pdf
フオイパン錠100mgの基本情報(作用・副作用・飲み合わせ・添付文書)【QLifeお薬検索】
https://www.qlife.jp/meds/rx10400.html
東京大:カモスタットの新型コロナに対する臨床研究
Cell誌の論文:
新型コロナウイルスが、ヒトの細胞に感染する際に、
- 「細胞膜上のACE2と呼ばれる受容体たんぱく質」に結合した後、
- 「細胞膜上のセリンプロテアーゼと呼ばれる酵素/TMPRSS2」を利用して、
細胞内に侵入していることが報告されている。
カモスタット:
TMPRSS2を妨げる働きを持つことが知られている。
- 重症呼吸器症候群(SARS)や
- 中東呼吸器症候群(MERS)の
「原因となるコロナウイルスの感染を妨げること」は、実験室レベルではこれまでにも報告されてきた。
今回の論文:
カモスタットが、新型コロナウイルスやSARSウイルスがヒト細胞への感染を妨げることを報告している。
カモスタットとは:
「たんぱく質分解酵素の働きを妨げる作用を持つ薬」
小野薬品:
小野薬品工業が創出し、1985年に「フオイパン錠」の名称で発売した。
既に物質特許は切れており、日本で多数の後発品メーカーが同じ成分の薬を販売中。
:日経バイオテクONLINE