アップル・テスラ：中国で製品開発せず： Assembled in China（動画）：
Apple Tesla: No product development in China: Assembly in China：
Apple Tesla：中国没有产品开发：在美国设计，在中国组装
テスラ：
今、中国市場でテスラが話題を振りまいている。
しかし、忘れられがちな一つの事実がある。
それは、「テスラは、中国ではほぼ一切製品開発を行ってはいないということ」だ。
中国の製造業と消費者のおかげで、泥沼から立ち上がったテスラ。
しかし、「研究開発のほぼすべてのリソース」は、いまだに米カリフォルニアに置かれている。
SUV Model Yの事例：
SUV Model Yを、中国生産へと切り替えられたのは、上海ギガファクトリーの工員たちが、三交代制で稼働したお陰だ。
特に決定的な要因は、「テスラが、自動化設備の導入に成功した」からだ。
100%中国製は夢物語：
製造設備や自動運転支援システムについて、
AutoPilot、
高精度センサー、
モーター、
電気制御システムなど、「核心部分技術に関しては、依然として米国R&Dセンター」が握っている。
中国で割り振られているのは、
組み立て、
部品製造、
アフターサービスに限られる。一方、中国に一切R&D部署を置かない典型的な米国企業はもう一社ある。
それはアップルだ。
アップル：
「年間販売台数2億台のうち、9割以上のスマートフォン」を中国で製造している。
チップの計画、
OSの開発、
製品計画、
デザイン案など、すべて、米カリフォルニアの本社で完成する。
アップルは、はっきりと製品の裏側に刻まれている
Designed by Apple in California，Assembled in China と。
「中国にはサプライチェーンがあるが、イノベーションも開発能力もない」との見地に基づいて分業を図る。
米中の製造ハイアラキー：
サプライチェーンの規模、労働者の数では、米国は大幅に中国に劣る。
アップルの純利益：
一方、アップルの純利益は、サプライチェーンにある中国上場企業（A株）上位12社の純利益合計の20倍もある。
アップルの米国製品：
アップルは
プロセッサーは自社で開発し、
- ベースバンドチップをクアルコムが、
- Wi-Fiチップをブロードコムが、
- RFチップをスカイワークスとQorvoが、
全て提供している。
ここで挙げたサプライヤーは基本的にすべて米国の地場企業だ。
韓国の製品：
携帯電話で次に大きな価値を持つのはストレージやバックライト。
価格変動が激しいため、製造の場を日本から韓国に移した。
- サムスンやSKハイニックスがストレージ提供
- サムスンとLG電子がパネルを提供。
日本の製品
日本は、価格の安定した精密部品に安住の地を求めた。
- 村田製作所や太陽誘電の積層セラミックコンデンサー、
- 旭化成エレクトロニクスの電子コンパス、
- TDKのバッテリーなどがこれに当たる。
中国工程院（Chinese Academy of Engineering）：
昨年末に発表した報告書。
生産高、労働生産性、研究・開発の強化度など18の指標に基づいて、世界各国の製造業を評価した。
結果、
- 米国は169点で群を抜いており、
- 126点のドイツ、
- 117点の日本、
- 111点の中国が続いた。
アップルやテスラなど、巨大企業が敷いた事業戦略の結果だ。
- 米国の本部で、材料や製造設備・システムを開発、
- これら部品を、中国へ運び、
- 稼働状況を監視しながら、
- 中国のサプライヤーを働かせててきた結果なのだ。
36Kr Japan