米アップル:チャイナ脱出は不可能!
Apple: It’s impossible to escape from China!
蘋果:逃離中國是不可能的!
・中国国内で5社増加、中国依存が拡大
・ベトナム進出企業の実態は中国系だ
勝又壽良ワールドビューからSummaryをお届けします。
アップルの「脱中国」:
アップルは、自社のサプライヤーに対し「脱中国」を推奨している。
1.しかし、アップルの「脱中国」は進んでいない。
2.アップルと中国企業との関係が、更に深まった。
中国の地政学リスクが指摘されるが、アップルの中国サプライヤーは減っていない。
日経新聞電子版(4月30日)
「Appleの中国取引先数が増加、米中対立で綱渡り」と題する記事を掲載した。
米アップルの部品調達や組立で、中国サプライヤーが増加した。
最新のサプライヤー・リスト
2023年の取引社数は52社と、前の年と比べて4社増えた。
先端技術を巡る米中対立の中、中国依存度が高まった。
アップルのサプライヤーリスト:
アップルは毎年、全製品のサプライヤーリストを公表している。
最新版では187社を掲載した。
組立や部品、素材など、調達額で全体の98%を占める。
中国サプライヤーが増加中:
2020年以降、国・地域別比率で、中国企業が最多だ」。
1.アップルは、更に中国企業との取引を増やす。
2.一方、台湾や日本、米国、韓国からの調達を減らす。
中国にある製造・開発拠点
中国企業が、昨年初めて上位サプライヤーリストに入った
3.中国企業と海外企業の拠点数は、中国に286カ所ある。
4.中国の拠点数が、2022年と比べて10カ所増えた。
代表的な中国サプライヤー:
1.三安光電は、発光ダイオード(LED)や窒化ガリウム(GaN)を生産する。
2.宝鶏タイ業は、中国で、チタンやニッケルを供給する。
東南アジア進出でも、中国サプライヤーの方が優勢だ。
アップルは、’本気で脱中国を行う意思がない’のだ。
東南アジアへのサプライチェーン・シフト:
アップルは、東南アジアへのシフトを加速させている。
1.ベトナムの取引先は、4割増の35社となった。
2.タイの取引先は、3割増の24社に上った。
日経アジアの分析:
中国系企業が、東南アジア進出企業を実質支配している。
1.ベトナムのサプライヤー35社のうち、4割は中国と香港に本拠を置く。
2.東南アジアからの調達が増えても、中国依存度低下につながらない。
これは、従来から報道されてきたこと。
ベトナム進出の中国系企業:
1.立訊精密工業(ラックスシェア)
アップルのワイヤレスイヤホンAirPodsの生産に携わる
2.中国比亜迪(BYD)
両社はいずれもベトナムでの生産能力を上げている。
調達先を巡りアップルは、米国内の同業とは対照的な戦略だ。
米デル:
米デルは、’中国製半導体や部品使用の全廃’を目指す。
米HP:
サプライヤーに対し、’東南アジアやメキシコでの生産能力増強’を指示した。
台湾の鴻海:
既に、インドに生産機能を移転した。
しかしアップルは、’インドをアップル製品販売で利用した’に過ぎない。
アップルのティム・クックCEO
ティム・クックCEO)は3月に中国を訪問、
1.主要サプライヤーの幹部や、中国高官と会談した。
2.上海での旗艦店の新規開業にも駆けつけた。
また中国で、研究・開発部門を拡大すると発表した。
中国の専門家の意見:
1.アップルが中国市場で利益を確保し続けたいのであれば、
2.サプライヤーにうまみを分け与える必要がある。
アップルは、巨大市場としての中国の役割を重視している。
https://hisayoshi-katsumata-worldview.com/archives/35659439.html