APB:次世代2次電池の実力:元日産エンジニア堀江英明CEO(動画):
APB: Next-gen secondary battery: Former Nissan engineer, APB CEO Horie:
APB:下一代二次电池的能力:日产前工程师,APB首席执行官Horie
リチウムイオン2次電池:
モバイル機器やEVの動力源として欠かすことのできないリチウムイオン2次電池。
次世代技術の「全樹脂電池」が注目を集めている。
手がけるのは2018年に設立されたスタートアップ企業のAPB(東京:堀江英明CEO)
川崎重工AUVでの搭載:
川崎重工AUVでの搭載が決まり、その実証実験が7月から始まった。
AUVは海底ケーブルやパイプラインなど海中設備の保守・点検のための無人潜水機。
水中で長時間作業するには大容量の電池が必要になる。
そこで川崎重工業は、従来の電池よりも大容量で、耐水圧性にも優れている全樹脂電池の採用を決めた。
リチウムイオン電池:
正極と負極の間をリチウムイオンが行き来することで充電や放電が行われる。
全樹脂電池も充放電の仕組み自体は同じだ。全樹脂電池:
現行のリチウムイオン電池が多くの金属材料を使用するのに対し、
全樹脂電池は、電極を含むほぼすべての部材を樹脂で成形している
正極・負極の活物質をゲル状のポリマーで覆い、集電体も樹脂化している。
樹脂電池の3つのメリット:
まず1つ目が安全性:
リチウムイオン電池は強い衝撃や圧迫などで短絡すると、金属の集電体に一気に大電流が流れる。
500度以上にまで過熱し、発火などの事故に繋がるリスクがある。
全樹脂電池は「金属部材の代わりに抵抗の大きな樹脂を用いているため、短絡が起きても一気に大電流が流れることはなく、安全性が高い」(堀江氏)
2つ目が製造コスト:
リチウムイオン電池は材料の調整からモジュール化まで約20の製造工程を経る。
全樹脂電池は製造プロセスがシンプルで工程数は約半分。
量産には大幅なコスト低減余地がある。
3つ目が、電池の性能:
全樹脂電池は従来型のリチウムイオン電池よりもさらにエネルギー密度が高く、
2倍以上の電池容量を実現できる。加えて、電極の厚膜化が容易で、セルの大型化や形状の自由度が高い」(同)
APBのロードマップ:
次のステップとして、巨大な第2工場を2020年代半ばまでに立ち上げる。
そのときにはリチウムイオン電池の半分以下にまで製造コストを下げるシナリオを描いている。
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