JAXA:宇宙空間で機内温度を一定に:月面+120度・ー180度(動画):
JAXA: Keep the in-flight temp constant in outer space: +120/-180℃:
JAXA:保持太空中的飞行温度恒定:月球表面+120度/ -180度
富山県産業技術研究開発センター(高岡市)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)月面探査機や人工衛星を想定した熱制御機器を開発した。
9月30日までに、特許を出願。
熱制御機器を開発:
- 3Dプリンターを使って
- 熱伝導性と軽さを両立し、
- 宇宙空間で機内の温度を一定に保つ。
既に国内の宇宙機システムメーカーから引き合いがある。
宇宙航空機器開発・製造オービタルエンジニアリング(OEI)も研究に参加した。
宇宙空間:月面温度
宇宙空間は、大気がなく、太陽光の影響を直接受けるため、温度変化が著しい。
月面温度は、昼夜で120度からマイナス180度まで激しく変化する。
宇宙機内の温度を一定に保つには
- 周辺の環境に応じて熱を遮断し、
- 寒い際には熱を蓄える
- 熱制御機器の開発が重要課題である。
基盤技術の開発:
県産業技術研究開発センターとJAXAが、2016年度から、部品作りなどの基盤技術の開発に取り組んできた。
完成した熱制御機器:
8月中旬に完成した熱制御機器は、
- アルミ合金製で
- 縦8センチ、横10センチ、
- 厚さ2センチの長方体。
内部は「フィン」と呼ばれる細い棒が複雑に配置された構造。
フィン以外の空間に蓄熱材を注入して使用する。
熱を吸収する仕組み:
蓄熱材が固体から液体に変わる時、大量の熱を吸収する性質を利用して周辺の温度をコントロールする。
フィンを増やすと表面積が拡大し、熱を効率よく吸収できる。
金属3Dプリンターを使用:
- 金属3Dプリンターで、フィンを一体化。
- 容器の成形には、アルミ粉末にレーザーを照射し造形。
- 内部構造に独自の工夫を加えることで熱伝導性と軽量化。
試作品(SiSi):
熱を効率よく吸収するイメージから「SiSi(宇宙の氷)」と名付けた。
SiSiは「Structure—Integrated Space Ice」の略。
北國・富山新聞