東レ:融点温度で変形しないPPSフィルム開発:5G伝送用回路基板用(FPC):
Toray:PPS film、resistant to deformation even at the melting point:circuit for 5G(FPC):
东丽:甚至在熔点温度下也不会变形的PPS膜:用于5G传输(FPC)的电路板
~誘電特性と高い熱寸法安定性を両立~
東レ:新型PPSフィルム開発
東レが、新型PPS(ポリフェニレンサルファイド)フィルムを創出しました。
優れた誘電特性※2や難燃性、耐薬品性を、保持しています。
従来に比べて
- 40℃以上耐熱性を高め、
- 融点に近い温度でも変形しにくい
- 寸法安定性を持つ
新型PPSフィルムを創出しました。
5G基板:高速伝送用フレキシブルプリント基板(FPC)
新型PPSフィルムは、高速伝送用フレキシブルプリント基板(FPC)※3に、最適です。
5Gでは、6GHz以下周波数帯域に加え、20GHz以上高周波数帯域でも使えます。
- 通信デバイスの高周波での伝送ロスを低減、
- 高温・高湿度などの幅広い環境での高速通信を安定化、
期待出来ます。
LCPフィルムの欠点:高コスト、加工性
5G・FPC構成基板材料では、
高周波数帯域で伝送ロスを少なくする誘電特性と、
回路基板加工時のはんだに対する耐熱性などの特性を持つ
液晶ポリマー(LCP)フィルムが使われています。
しかし、LCPフィルムは、高コストかつ加工性に課題がありました。
PPSフィルムの欠点:高温で変形、耐熱性
PPSフィルムは、優れた難燃性、耐薬品性があります。
また、誘電特性、特に温度や湿度の影響を受けにくい優れた性質を有します。
しかし、高温域ではフィルム自体が変形する課題がありました。
回路基板を加工する場合、はんだ耐熱性が不足していたのです。
今回の開発:新型PPSフィルム
そこで東レは、PPSフィルムの結晶構造を制御する独自技術を開発しました。
- PPSポリマーの優れた特性を維持しつつ、
- 耐熱性を大幅に高めることに成功したのです。
新型PPSフィルム:主な特徴
- 新型PPSフィルムが、「250℃の加熱テストで、フィルムが変形しないことを確認」
- 耐熱性を高めることで、「既存の回路基板加工設備を使用出来ます」
- 新技術を開発、「フィルム内・分子鎖の配向を、制御できる技術」
- 熱膨張係数:98ppm/℃を実現
- 「回路基板の多層化による小型化設計が可能」
新型PPSフィルム:導入分野
これらの特長を活かし「5G用・伝送ケーブルやアンテナなど、幅広い用途」が期待出来ます。
まず「5Gスマートフォンを中心とした、FPC市場での採用」を進めます。
さらに「車載用途や基地局用途など」、幅広い用途に展開を図ります。
プレスリリース | TORAY
https://www.toray.co.jp/news/chemicals/detail.html?key=4A196D8FC8D279BD492584D50006C97E