日本ガイシ:亜鉛二次電池’ZNB’開発に成功:世界初、UL9540A規格取得(動画):
NGK:Successful zinc secondary battery ‘ZNB’:acquisition of UL9540A standard:
NGK:成功开发锌二次电池“ ZNB”:世界上第一个获得UL9540A标准的产品
独自のセラミック技術で、屋内設置に適した安全で大容量の蓄電池を実現
日本ガイシ:
このたび、日本がガイシ開発した亜鉛二次電池’ZNB’が、蓄電池分野で世界初のUL検証マークを取得しました。
UL検証マーク取得:UL9540A
米国・第三者安全科学機関:UL(本社:イリノイ州ノースブルック)の「UL9540A」規格に基づき、試験を実施しました。
UL9540Aは、蓄電池システムの熱暴走火災伝播に関する評価試験規格です。
ULによる客観的で再現性の高い検証によりZNBの高い安全性能が実証されました。
当社が開発したZNB:
- 負極に亜鉛、
- 電解液に水溶液、
- 正極と負極を隔てるセパレータ:当社独自のセラミックセパレータを使用、
屋内設置に適した高い安全性と大容量を実現した蓄電池(二次電池)です。
従来の技術:
- 負極に、亜鉛を用いた場合、電池のエネルギー密度が高く、一次電池(アルカリ乾電池や補聴器用空気電池)向けに、利用されています。
- 二次電池として利用する場合、充電時、負極から亜鉛が樹状析出(デンドライト)が発生。その為、「セパレータを貫通して短絡するという問題」があり、長年実用化に至っていませんでした。
今回の技術:
当社は、緻密な水酸化物イオン(OH-)伝導性セラミックスを、独自開発しました。
このセパレータを使って問題を解決、亜鉛二次電池の開発に成功しました。
開発したセラミックセパレータ:
- 電池動作に必要なOH-だけを、選択的に通し、
- デンドライトを物理的にブロックすることで、正負極間の短絡を防止し、
- 繰り返し充放電することを、可能にしました。
セラミック製のセパレータを亜鉛二次電池に使用するのは世界で初めてです。
ZNBの優位性:
- ZNBはエネルギー密度が高くコンパクトに設置でき、常温での電池動作が可能なうえ、
- 電解液に不燃性の水溶液を使用していることから内部発火や熱暴走するリスクがないため、
- 非常に安全性が高く、屋内設置にも適しているのが特長です。
ZNBの利用分野:
- 学校や病院、
- コンビニエンスストアを含む商業施設、
- 通信基地局や通信ビル、
- BCP(事業継続計画)対策が重要な施設では、
高い安全性と大容量を兼ね備えた蓄電池が強く求められています。
ZNBは、これら施設での採用を想定しています。
ニュース | 日本ガイシ株式会社
https://www.ngk.co.jp/news/20191119_10616.html
産総研:亜鉛空気電池の二次電池化に資する電解質
https://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/2019/nr20190704/nr20190704.html