富山大:3Dプリンターで作製:触媒付き反応容器(動画):
Toyama Univ.: Made with 3D printer: Reaction vessel with catalyst:
富山大学:用3D打印机制造:带催化剂的反应容器
富山大:
物質・材料研究機構(NIMS)と共同で、「自己触媒機能付き金属触媒反応器」の作製に、世界で初めて成功した。
「自己触媒機能付き金属触媒反応器」:
この金属触媒反応器は、レーザー加工と3Dプリンターを用いて、制作されました。
この反応器は、高温・高圧の過酷な条件下でも、使用可能です。
3D金属反応管の作製:
レーザー溶融噴射とコンピュータープログラム制御を併用しています。
- ステンレス,金属,合金を原料にして,
- スパイナル構造,モノリス構造(多数の細管並列)など、
- 多彩な空間構造を持った3D金属反応管を作製できます。
微細金属表面に触媒活性点を付与:
- 次いで,微細金属表面に化学処理や酸化・還元処理を実施。
- 内部の微細金属表面に、触媒活性点を作り出すことに成功しました。
反応器自体を小型化:
- この金属反応管は,内表面がそのまま触媒として使用可能。
- 従来方式での、かさ高い担持触媒の充填は不要。
- 反応器自体が劇的に小型化されました。
実際の応用例:
ガソリン・軽油の高速連続合成:
鉄製3D触媒反応管を用いた二酸化炭素と水素からガソリン・軽油の高速連続合成,
コバルト製あるいは鉄製3D 触媒反応管を使った合成ガスからガソリン・軽油の高速製造
合成ガスの迅速連続生産:
ニッケル製3D触媒反応管を用いた二酸化炭素と天然ガスからの合成ガスの迅速連続生産,
「高温・高圧触媒反応において,従来技術に匹敵する反応性が実証された」という。
合成液体燃料プラント:
海底メタンハイドレート:
洋上生産する合成液体燃料プラントに応用すれば,海底天然ガス,メタンハイドレートを洋上で各種エネルギー製品,化学製品まで生産できる。
バイオマスから液体燃料:
さらに,二酸化炭素あるいはバイオマスから液体燃料,化学品への合成反応の小型化と低コスト化も実現でるとしている。
OPTRONICS ONLINE
http://www.optronics-media.com/news/20200817/67029/
自己触媒機能付き金属触媒反応器:3Dプリント技術で作製
~高温・高圧反応可能、プラントを劇的に小型化~
高温・高圧型の大型反応器:
多くの化学工業プラントには多量の担持触媒を充填した高温・高圧型の大型反応器が用いられています
触媒・設備の低コスト化、小型化、省エネルギー化に向けて、反応プロセスや設備の革新が求められています。
椿教授・研究グループ:
レーザー溶融噴射技術を用いた高融点金属の3Dプリント技術を活用。
精密にコントロールされた微細構造を有する金属反応器の作製に成功しました。
微細構造、金属反応器:
次いで、内面を化学処理することにより微細金属表面に触媒機能を付与し、「自己触媒機能付き金属触媒反応器」の創出に至りました。
この反応器は、従来の触媒反応器と同様、高温・高圧条件下でも使用可能です。
微細金属表面に触媒機能:
この技術を用いると、
- 反応管内に担持触媒を充填する必要がなくなり、
- 多くの触媒反応器を小型化でき、
- 設備投資・触媒コストの低減につながります。
さらに、プラント自体を劇的にコンパクト化できます。
プラント自体をコンパクト化:
従来技術では、次の生産方式はスペースが必要で、不可能でした。
- 洋上生産
- 車両上での生産
- 船舶上での生産にも展開できます。
応用反応例:
- 二酸化炭素の水素化、液体炭化水素燃料合成、
- メタンと二酸化炭素の改質反応など
- 高温・高圧条件下での反応において、高い活性と長い触媒寿命を実現。
海底メタンハイドレートの利用:
また、日本が世界をリードしている海底メタンハイドレートの利用において、
洋上液体合成燃料の高速生産を含め、幅広い応用範囲が期待できます。
物質・材料研究機構(NIMS):
本技術は富山大学らによって特許出願済(出願番号:特願2020-93320)
本研究成果は、2020年8月14日(英国時間)に英国科学誌「Nature Communications」のオンライン速報版で公開されます。
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20200814/index.html
Metal 3D printing technology for functional integration of catalytic system
Published: 14 August 2020
Qinhong Wei, Hangjie Li, […]Noritatsu Tsubaki
Nature Communications volume 11, Article number: 4098 (2020) Cite this article
Metrics detailsNature Communications
Abstract
Mechanical properties and geometries of printed products have been extensively studied in metal 3D printing.
However, chemical properties and catalytic functions, introduced by metal 3D printing itself, are rarely mentioned.
Here we show that
metal 3D printing products themselves can simultaneously serve as chemical reactors and catalysts (denoted as self-catalytic reactor or SCR) for direct conversion of C1 molecules (including CO, CO2 and CH4) into high value-added chemicals.
The Fe-SCR and Co-SCR
successfully catalyze synthesis of liquid fuel from Fischer-Tropsch synthesis and CO2 hydrogenation;
the Ni-SCR efficiently produces syngas (CO/H2) by CO2 reforming of CH4.
Further,
the Co-SCR geometrical studies indicate that metal 3D printing itself can establish multiple control functions to tune the catalytic product distribution.
The present work
provides a simple and low-cost manufacturing method to realize functional integration of catalyst and reactor, and will facilitate the developments of chemical synthesis and 3D printing technology.