スウェーデン:戦闘機Gripenでロシアの脅威に対抗
Sweden: Counter Russian threat with Gripen fighter jets
瑞典:用「鷹獅」戰鬥機對抗俄羅斯威脅
・なぜ’Sukhoi Killer’なのか?
・ウクライナへの供与はどうなる?
NHK掲載記事からSummaryをお届けします。
戦闘機Gripenの秘密:
Gripenとはいったいどんな戦闘機なのか。
ロシアの脅威に対抗するために設計された。非常に能力の高い戦闘機だ。
ウクライナへの供与は実現するのか?
Gripen製開発現場を取材:NHK記者 高須絵梨
Gripenの頭脳とも言える電子部品の製造・開発現場。
世界で初めてテレビメディアが取材した。
対ロシアの戦闘機、Gripenとは?
Gripenは、スウェーデン・SAABが1980年代から開発の戦闘機。
サーブが開発した多用途戦闘機・Gripen:
スウェーデン語で、JAS39・Gripenと呼ばれる。
戦闘を意味する’Jakt’、攻撃の’Attack’、偵察の’Spaning’
偵察から、対地攻撃、空対空の戦闘まで、さまざまな任務をこなす。
1.300機以上生産された。現在、スウェーデン軍Gripenは96機。
2.NATOのチェコやハンガリー、ブラジルや南アフリカ、タイも導入。
ウクライナへGripenを供与?
去年8月、ウクライナのゼレンスキー大統領。
グリペンのウクライナへの供与を、スウェーデン側と協議を始めた。
実現すれば戦況を大きく変える可能性もある。
クリステション首相とゼレンスキー大統領:
ストックホルム 2023年8月、Gripen供与について協議した。
GripenはSukhoi Killer:
なぜゼレンスキー大統領はグリペンの供与を求めているのか?
NHKがSaabに取材申し込み:
その理由に迫ろうと、去年12月にSaabに取材を申し込み。
NHKが2か月間交渉の末、世界で初めてカメラを入れる許可が出た。
NHK取材班が Saabを訪問:
スウェーデンの首都ストックホルム郊外にある工場。
セキュリティーが厳重で、入り口でスマホなどの電子機器を預ける。
1.建物の外観や、屋内でも撮影は禁止。
2.’撮影位置も指示に従うこと’を条件に、取材が許可。
Gripenの強みは何か?
ロシアの戦闘機の名前をとって“Sukhoi Killer”とも呼ばれる。
1.Gripenの強みは、電磁波を使い戦闘を有利にする。
2.「電子戦」にすぐれている点であると担当者が強調した。
プログラミング基板の製作工程:
サーブ製造軍需品(Gripenを含め)に使うプログラミング基板。
特殊な機械で基板を製作する。
不備などがないかどうか、顕微鏡を使って1つ1つ確認する。
Gripenの頭脳と心臓を製作:
基板の確認作業で、 基板種類は300近くに上る。
まさにグリペンの頭脳と心臓にあたるところだ。
Gripenのレーダー対策:
次に見せてもらったのは、テスト専用の部屋。
Gripenが、相手のレーダーから覚知されないかどうか?
ここでは、Gripenのステルス性能テストを行っている。
長いときには、テストに1日近くかかることもある。
ジャマーポッド:(敵の電波を妨害する装置)
電子戦のかぎを握るジャマーポッド装置。重さはおよそ300㎏
1.敵レーダー施設やレーダー誘導ミサイルの、発信電波を検出。
2.強力な妨害信号を、敵に発信することができる。
ジャマーポッドの先進機能:
Gripenは敵のレーダーを妨害し、自分の姿も隠す。
実際は1機しか飛行していないのに、多く飛行しているかのように見せる。
スウェーデン空軍:ルレオ空軍基地
電子戦だけではないGripenの強みとは?
対ロシアを意識し、毎日Gripenでの訓練を行っているスウェーデン空軍。
実際の訓練取材で、ストックホルムから900㎞、ルレオ空軍基地を訪ねた。
氷点下20度近くの中、1時間ほどグリペンの訓練を取材。
スウェーデン空軍基地でのGripenの訓練:
いかにスウェーデンを守るのか?
ここ数年は、いかにスウェーデンを守るのか、という目的の訓練が増えた。
数で圧倒的なロシアが、攻撃してきたときどう対応するか?
1.電子戦の優位に加え、離陸準備を少人数で行えること。
2.わずか10分で燃料補給することができること、
メンテナンスのしやすさもGripenの強みだ。
高速道路などを使って離着陸:
スウェーデン軍パイロットが、最も強調していた。
1.離着陸に必要な距離がほかの戦闘機と比べて短い。
2.高速道路などを使って離着陸ができるという点。
3.Gripenは500mもあれば、ほとんどどこでも離着陸できる。
4.戦闘機を1か所に集めると、敵が居場所を見つけるのは簡単だ。
5.分散可能なGripenの可動性で、戦闘機を分散移動する。
敵は、私たちの居場所を知るのが難しくなる。
ウクライナにも有効:
Gripenがウクライナの戦況を変えるのか?
Gripenが投入されることで、戦況が変わる可能性はあるのか?
サーブ ミカエル・ヨハンソンCEO :
Gripenは、’ロシアの脅威からスウェーデンを守る’ために設計された。
非常に能力の高い戦闘機:
スウェーデンが、Gripenを供与すれば、ウクライナ軍が制空権を握る。
民主主義を守り、ロシアから身を守るため、ウクライナを支援する。
ウクライナがこの戦争に勝利:
1.ウクライナが勝利することは、今後のEUにとって重要だ。
2.ロシア国境に近いスウェーデンにとっても非常に重要なこと。
ロシアによるウクライナ侵攻:
ヨーロッパの安全保障環境は、大きく変化し脅威を感じている。
スウェーデンでは、男女を問わず18歳になれば徴兵制の対象。
高校生に話を聞いた。次は自分たちの国かもしれない。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/feature/2024/03/06/37984.html