脊髄損傷患者:iPS細胞移植で損傷を修復
・患者2人が、自分で食事でき、運動機能改善
・「Yanai my iPS製作所」が、大阪に4月完成へ
読売新聞掲載記事からSummaryをお届けします。
慶応大などの研究チーム:
3月21日、脊髄損傷で体がまひした患者4人に、iPS細胞から作製した細胞を移植した。
1.世界初の臨床研究で、2人の運動機能が改善したと発表した。
2.2人は食事を自分でとれるようになり、うち1人は立つことができた。
チームは「移植した細胞が損傷を修復した可能性がある」とみている。
慶大医学部の臨床研究:
中村雅也教授(整形外科):岡野 栄之ひでゆき 教授(生理学)が、臨床研究を行った。
横浜市で開かれている日本再生医療学会で結果を報告した。
iPS細胞移植:損傷を修復:
1.患者は、受傷後2~4週間の18歳以上の4人。
2.受傷部位は、首や胸から下で、運動機能や感覚が完全にまひ。
3.チームは、健康な人のiPS細胞から神経のもとになる細胞を作製。
2021~23年、患者1人に200万個の細胞を、損傷脊髄に移植した。
慶応大病院:1年後の検査結果:
移植の約1年後、慶応大病院で有効性を検証した。
運動機能の5段階のスコア:
1.1人の患者は、3段階も回復した。
2.もう1人の患者は、2段階回復した。
3.残る2人は、治療前と同スコアだが、症状が改善した。
日本の脊髄損傷患者数:年間6000人発症:
脊髄損傷は、交通事故などが原因である。
1.日本の新規患者数は、年間約6000人。
2.慢性期の患者数は、10万人以上とされる。
研究チームは、まひが固定した慢性期患者に、治験を2027年に行う。
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20250321-OYT1T50142/
京都大学:「my iPS細胞」を自動製造!
・「my iPS」なら、拒絶反応は起こらない
・4月大阪に「Yanai my iPS製作所」オープン
日経新聞掲載記事からSummaryをお届けします。
「Yanai my iPS製作所」:
Yanai my iPS製作所(18日、大阪市)がオープン。
1.患者の細胞から、iPS細胞「my iPS」を製造する。
2.研究財団が、安全に保管する施設を報道陣に公開。
3.従来手作業の製造工程を、完全自動化した。
大阪の中之島クロス:4月から利用開始
1.ドイツ製の培養装置を14台備え、my iPSを全自動で培養。
2.血液から細胞を取り出して、約1カ月でmy iPSを製造可能。
iPS細胞は2種類:
パーキンソン病や、視力低下の加齢黄斑変性で、臨床研究が進む。
1. iPS細胞には、血液型と同じく「HLA」と呼ばれる型がある。
2.この型が合わない場合、拒絶反応が起こる。
一方、自分の細胞から作る「my iPS」では、拒絶反応は起こらない。
キヤノンの最新iPS細胞設備:
キヤノンが、国産の培養装置の開発を進めている。
1.今後、年間で1000人分のiPS細胞を製造する。
2.1人分の製造コストを、100万円に下げる。
ファーストリテイリング:柳井正会長兼社長
1.my iPSに賛同し、21年から9年間、毎年5億円を寄付する。
2.施設はこの寄付金によって建てられたため、柳井氏の名前を冠した。
「マルチパスウェイ」の必要性:
今後、iPS細胞医療を提供するため、my iPSという選択肢は重要だ。
他人由来のiPS細胞に問題が生じた時、my iPSで解決できるのだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF11ANO0R10C25A3000000/