ソニー:「Airpeak S1」を分解(前編):日本でレベル4開始(
動画):
Sony: Disassemble “Airpeak S1” (Part 1): Start level 4 in Japan:
索尼:拆解“Airpeak S1”(第1部分):在日本开始4级
ー全て独自開発、理想を実現ー
ソニーグループ:
マルチコプター型ドローン市場に、ソニーグループが挑戦状を叩きつけた。
ドローンの第1弾「Airpeak S1」の出荷を2021年11月中旬に開始した。
「Airpeak S1」
4枚の回転翼を持つこのドローン。
- ソニー製のフルサイズミラーレス、
- 一眼レフカメラ「αシリーズ」を搭載、
- 世界最小の機体を実現した。
「Airpeak S1」の特長:
- バッテリーを除いた機体重量は約3.1kg、
- ペイロードはジンバルを含め2.5kgで、
- 最大離陸重量は約7kg。
「Airpeak S1」のユーザー:
映像クリエーター向けに開発。
今までにないダイナミック映像を撮影できる。
インフラ点検や測量など、産業用途展開も目指す。
高い運動性能の実現:
既存のドローンと比較して、高運動性能の実現を目標。
- ホバリング状態から速度80km/hに到達するまで、3.5秒。
- 最大上昇・下降速度は、7m/s・4m/s、
- 最大角速度は、180°/sなどと、
上昇・下降、反転のレスポンスが高い。
もう1つの特長:
GNSS電波が届かない屋内や橋下でも、安定的に飛行できる。
- 数多くのステレオカメラとセンサーを搭載。
- 自己位置・姿勢を高精度に推定。
- 周囲空間をリアルタイムに認識。
業界最高水準の位置精度:
GNSS有効、
ビジョンポジション有効時、ホバリング精度は水平・垂直で±10cmだ。
「Airpeak S1」の開発:
2018年春に開発を開始、完成まで3年を費やした。
機体設計はもちろん、
プロペラやモーター、
プロセッサーなど、多くの部品を自社開発した。
市販の部品では目標とする性能を実現できないためだ。
日本で「レベル4」開始:
2022年12月ごろに「レベル4」が開始する。
- 都市部を含む第三者上空での目視外飛行が解禁される。
- それも市場の高成長を後押しする。
分解作業を実施:
ー2021年10月下旬ー
港区ソニーグループ本社で、分解を実施した。
Airpeak S1の分解後の部品を並べた図5を見ればすぐわかる。
Airpeak S1のようなマルチコプター型は、
- 固定翼型のドローンと比較して、
- ハードウエア構成がシンプルで、
- 機体の取り扱いも容易だ。
自社開発部品の実装:
1つ目は、
ソニーが自社開発した多くの部品をどのように実装しているのかを確かめた。
今回、ESC(Electric Speed Controller)のアルゴリズムを自社開発した(図6)
ESC(Electric Speed Controller):
高い加速性能を実現できた背景には、
- 低回転で高浮力を生み出せるプロペラ、
- 軽量で高トルクのブラシレスモーター、
- 更に、それらを最適に制御するのだ。
カメラ、センサー、プロセッサーを実装:
2つ目は、
数多くのカメラやセンサー、プロセッサーがどう実装されているのかを確かめた。センシングデバイスを内蔵:
5方向のステレオカメラ:
CMOSイメージセンサーを内蔵したステレオカメラを5方向(前後左右下)に配置。
内部にセンシングデバイス内蔵:
内部には、
IMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)、赤外線測距、地磁気、気圧、温度、GNSS受信機など数多く内蔵している。日経クロステック(xTECH)