理研:富岳の本番運用開始:富士通、HPEクレイにA64FX提供(動画):  RIKEN:Fullscale use of Fugaku begins:Fujitsu provides A64FX to HPE Clay: RIKEN:Fugaku开始生产:富士通为HPE Clay提供A64FX

「オークリッジ国立研究所」公式サイトより引用

理研:富岳の本番運用開始:富士通、HPEクレイにA64FX提供(動画): 
RIKEN:Fullscale use of Fugaku begins:Fujitsu provides A64FX to HPE Clay:
RIKEN:Fugaku开始生产:富士通为HPE Clay提供A64FX

文部科学省:

3月9日から、Fugakuの本格的な共同利用を開始する。

すでに昨年4月から、Fugakuの計算資源の一部を前倒し利用している。

主な利用分野:進行中のプロジェクト

新型コロナウイルス:

COVID-19の飛沫シミュレーションや、治療薬候補探索などの研究を進めている。

創薬シミュレーション:

昨年7月、京都大学の奥野恭史教授らが、Fugakuを使った創薬シミュレーションを実施。

寄生虫用の薬「ニクロサミドが、新型コロナ感染症の治療薬としても有効である」との分析結果を発表した。

実際、昨年10月末に、米国でニクロサミドの臨床研究がスタート。

「新型コロナに対しレムデシビルよりも高い治療効果を示すのではないか」と期待が高まっている。

転移ガン遺伝子変異を推定:

がんゲノム医療の権威、東京医科歯科大学M&Dセンターの宮野悟センター長

「ディープテンソル」と呼ばれるネットワーク解析用AIで分析中。

がん関連ビッグデータから、「転移ガンを引き起こす遺伝子変異」を推定。

「東大ヒトゲノムセンターのSHIROKANEスパコン」を使った場合、2ヵ月半もの処理時間がかかる。

一方、Fugakuを使えば、「20分位で終わるでしょう」(宮野教授)という。

シミュレーション天文学:

またスパコンによる模擬実験で、宇宙大規模構造を解明する「シミュレーション天文学」

第一人者、神戸大学の牧野淳一郎教授が、「Fugakuを使えば、銀河形成過程を忠実に再現できる」と見ている。

欧州の宇宙衛星:

  1. 「ガイア」探査衛星を宇宙空間に飛ばして、
  2. 銀河系内10億個の星までの、距離と動きを測定している。
  3. 個々の星の運動から生成過程まで、広範囲の情報が得られると期待されている。

「Fugakuを使えば、これに比肩する研究が、日本でも可能になる」と牧野教授は語る。

富岳の最大の長所:

TOP500主催者、米テネシー大学・計算機科学科のジャック・ドンガラ特別栄誉教授

「Fugakuの最大の長所は、その使いやすさにある」と語る。

CPU・GPU併用のアーキテクチャ:

  1. 米国最速のスパコン「サミット」や
  2. 中国最速の「神威・大湖之光」などは、

いずれも、「多数の汎用CPUに、GPU加速部を組み合わせたアーキテクチャ」だ。

「これは、長所でもあり短所でもある」とドンガラ教授は分析する。

CPU・GPU併用の難点:

  1. GPUは、スパコンの計算能力を、大幅増強してくれる。
  2. しかし、GPUを上手く使えないと、スパコン全体性能が、低下してしまう。

両者を連携させて、バランス良く使いこなすことは、実は非常に難しい。

CPU・GPU用に個別プログラム:

また、CPUとGPU用に別々のプログラムを用意する必要がある。

この点も科学・産業界の研究者にとって大きな負担となっている。

Fugakuはシンプルで使いやすい:

これに対し、汎用CPUだけで全体を統一した富岳は、研究者にとって非常にシンプルで使いやすく作業負荷も小さい。

富岳はHPL-AI部門で 1位:

理研・計算科学研究センターの松岡聡センター長。

Fugakuは、AI処理能力・HPL-AI部門で、断トツの1位(2020年世界ランキング)

Fugakuという「世界最大規模のAI基盤を手にしたこと」で、今後「日本の産業は、GAFAに対抗し、追い越すことも可能」と見ている。

最近のAI研究開発:

今後、「スパコンのようなHPC用のコンピューティングが、ひときわ重要性を増していること」を、強調しておかねばならない。

  1. アルファ碁のような知能ゲーム、
  2. 高度な画像認識、
  3. 今後伸びて来る自然言語系も含め、

AI分野は、結局スパコンのようなHPCの勝負になる。

「HPEクレイ」が「A64FX」を採用:

米国スパコン「HPEクレイ」も、採用を決めた超高速CPU「A64FX」に言及している。

「A64FX」のプロセッサ(CPU)は、「日本の半導体産業が復活する狼煙になる」と予想している。

現代ビジネス | 講談社

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/80802?page=1&imp=0

世界のスーパーコンピュータ:性能ランキングTOP10

第2位:アメリカのSummit(サミット)

合衆国エネルギー省(DOE)のオークリッジ国立研究所にある、科学研究目的のスーパーコンピュータです。

  1. IBM Power 9プロセッサー、
  2. NVIDIA Tesla V100 GPUを使用、
  3. 処理速度は200PFlop/s(peak)、
  4. トータルメモリは10PB。

2018年と2019年の2年間にわたり、世界1位の座に君臨していました。

第3位:アメリカのSierra(シエラ)

カリフォルニア州のローレンス・リバモア国立研究所で運用されている。

国家核安全保障局(NNSA)所管の次世代先端技術システム。

プロセッサ・アーキテクチャには

  1. IBMの「Power」のほか、NVIDIAのGPU「Volta」を使用。
  2. 処理速度は約125.7PFlop/s(peak)、
  3. トータルメモリは1.38PB。

主に核兵器のシミュレーションに用いられています。

第4位:神威・太湖之光(中国)

第5位:Selene(アメリカ)

第6位:天河二号(中国)

第7位:JUWELS Booster Module(ドイツ)

ねとらぼ調査隊

https://nlab.itmedia.co.jp/research/articles/126170/