南鳥島沖:2026年1月、レアアース試験掘削開始
・埋蔵量1600万トンで、世界3位
・日本のJAMSTECが、EEZ深海資源を開発
勝又壽良のワールドビュー記事からSummaryをお届けします。
日本経済新聞 電子版:(6月28日付)
「南鳥島に眠るレアアースは、世界3位の量で、中国輸出規制資源も豊富」と題する記事を掲載した。
海洋研究開発機構:(JAMSTEC)
2026年1月に南鳥島沖でレアアース(希土類)試験掘削を始める。
1.地球深部探査船「ちきゅう」で、海面下5500mにあるレアアースを含む泥を回収する。
2.世界のレアアース生産の大半を中国が担う中、国産資源の開発を目指す。
日本の排他的経済水域:(EEZ)の海底
日本の海域には有望なレアアース資源が眠る。
南鳥島の有望海域(2500㎢)の場所にある。
1.2013年、南鳥島(東京都)の海底下から、レアアースを高濃度で含む「レアアース泥」を発見した。
2.南鳥島沖だけでも、レアアース埋蔵は、1600万トン超存在し、世界3位の規模だ。
レアアースの種類:
ジスプロシウムなど7種類は、中・重希土類にあたる。
1.東大の加藤教授によれば、レアアース泥の含有量の5割程度が、中・重希土類だという。
2.中・重希土類は中国産が大半だ。中国政府が4月に発表した輸出規制の対象である。
3.日本の「レアアース泥」は高品質で、南鳥島の「レアアース泥」は中・重希土類を多く含む。
中国内陸部のレアアースの品位よりも、更に20倍も高品位である。。
商業化の採算性が課題:(東大の加藤教授)
2021年、東京大学レアアース泥・マンガンノジュール開発推進コンソーシアムが、経済性評価を試算した。
1.1日・3500tのレアアース泥を引き揚げれば、過去20年の価格帯でも採算が取れる。
2.2027年1月に本番開始、1日・350トンの揚泥を目指す。
3.2022年水深2470mで、海底の揚泥に世界初めて成功。
南鳥島沖の「レアアース泥」:
1.日本の海底資源「レアアース泥」は、中国の規制対象である「中・重希土類」を豊富に含む。
2.生産の7割を握る中国が、米国との対抗で輸出を規制した。
EVに欠かせないレアアース(希土類)の確保は、世界自動車産業の課題だ。
日本政府:レアアース泥の開発方針:
2025年4月、深海6000mからレアアース泥を引き揚げる「揚泥管」の接続試験を開始した。
1.日本政府は2028年度目標に、レアアースの生産体制を整える。
2.特筆すべきは、中国の輸出規制で希少性が強い中・重希土類を多く含む点だ。
英調査会社:アーガス・メディア:
中国外の価格指標となる欧州価格で、ジスプロシウムとテルビウムは、5月初時点の価格が1カ月前から約3倍に急騰。
1.データが遡れる2015年5月以降での最高値となった。
2.6月上旬時点で、も最高値圏での推移が続く。
https://hisayoshi-katsumata-worldview.com/archives/38859392.html