中国に悪夢:住宅在庫が5000万戸越え!
Nightmare in China: Housing inventory exceeds 50 million units!
中國惡夢:房屋庫存超5000萬套!
・一人っ子政策の影響で、住宅取得が停滞
・過剰生産のはけ口を、安値輸出でカバー
勝又壽良のワールドビュー掲載記事からSummaryをお届けします。
中国が抱える住宅在庫:
現在、中国が抱える住宅在庫は5000万戸に達する。
1.1戸に3人住めば、1億5000万人分の住宅に相当する。
2.この巨大在庫の販売には、60ヶ月かかると計算された。
しかし、肝心の住宅購入層は30代である。
だが、「一人っ子政策」で減っているのだ。
日経新聞・電子版(1月27日)
余剰在庫数は5000万戸と題する記事を掲載した。
中国の住宅バブル崩壊:
中国が、住宅バブル崩壊の後始末に悩まされている。
在庫の積み上がりと販売不振が重なる。
売り切るのに必要な月数は、単純計算で60カ月を超える。
人口減も相まって実需は減少に向かう。
中国の住宅在庫を試算:
2023年末の「住宅在庫」を試算した。
住宅の建設面積から販売面積を差し引いた。
1.1戸当たりの面積を100㎡として、
2.3人住むと仮定すると、5000万戸になる。
中国には1億5000万人分もの在庫がある勘定だ。
碧桂園控股(カントリー・ガーデン)
在庫物件の換金売り:
経営難のカントリー・ガーデンが、在庫物件の換金売りを進めている。
四川省南充では:
110㎡が22%引きの62万元(1270万円)でたたき売り。
遼寧省瀋陽では:
1㎡当たり3000元安の8300元で、大幅値引き販売中。
新規住宅販売不振の影響:
中国の家計資産の内訳では、住宅が7割を閉める。
都会では97%が、複数の貸家を持っている。
特に、’中間層での資産減少’の影響’が大きい。
中国の一般民衆は、おのずと消費を切り詰めざるを得ない。
住宅在庫が減らない理由:
建設ラッシュは、2020年の規制強化で鎮静化。
しかし、住宅在庫が減らないのは、販売不振による。
1.2023年の販売面積は、9億4000万㎡に激減した。
2.2021年ピーク(15億6000万㎡)比較で4割減。
住宅需要の急減で、住宅問題の解決時期が更に遠のく。
中国当局の大失態が露呈:
住宅在庫5000万戸は過大すぎる。
1.中国当局が、’事前に過剰建設に気づかない’のは大失態だ。
2.都市化人口予測を、過大評価した結果でもある。
30代人口減少の責任:
’一人っ子政策’の悪影響で、30代の人口減が進む。
住宅取得層30代の人口数:
2020年、30代の人口数は2億2000万人を超えていた。:
2035年、30代の人口数は1億6000万人を割り込む。
米ハーバード大学教授:ケネス・ロゴフ氏
住宅1次取得層人口はこれから減少する。
今後、2035年にかけて年率3%のペースで住宅建設は縮小する。
中国指導部の責任:
中国指導部の責任が、問われるべきだ。
土地国有制のお陰で、地方財政が潤った。
しかし、その目算が外れた。これから、中国指導部が苦しむ番だ。
住宅不況が地方経済を直撃:
地方政府の土地使用権の入札で、不調が続く。
在庫過剰の不動産会社が、全く入札に参加しなくなった。
「融資平台」の過剰債務:
主要収入源を失った地方政府は、「融資平台」の過剰債務に苦しむ。
融資平台の「隠れ債務」は巨額である。
この返済だけで中国経済の屋台骨を揺らぐ。
中国人民銀行:
遅まきながら、追加金融緩和に踏み切った。
しかし、住宅需要の発掘は、絶対無理だ。
中国の安値輸出攻勢続く:
住宅余剰は国際商品市況に下落圧力を与えた。
世界は、’中国国内余剰の建築資材の安値輸出’を警戒する。
中国住宅不況で、鉄鋼と銅の先物市況が影響を受けた。
中国の鉄鋼企業が大赤字:中国の上場鉄鋼45社
2023年上期決算で、8割近くが最終損益の赤字だ。
中国は、過剰生産のはけ口を輸出に求めている。
中国鋼鉄工業協会:
2023年鋼材輸出は9000万t。前年より2000万tも増えた。
譚成旭副会長は「輸出の伸びは供給過剰を緩和した」とコメント。
中国の安値輸出阻止へ:
メキシコは、中国を念頭に鉄鋼や関連製品の関税を引き上げた。
安い中国製品の流入で、自国産業の競争力が奪われかねない。
中国経済の「暴走」が、これから世界中へ迷惑を掛ける。
中国の「安値輸出」に、世界も新たな摩擦に身構える。
https://hisayoshi-katsumata-worldview.com/archives/34903592.html