無線受信機の構成 (アンテナ直径16cm)
NICT:ミリ波無線受信機を簡素化:Beyond 5G技術(動画):
NICT: Simplifies millimeter-wave wireless receivers: Beyond 5G tech:
NICT:简化毫米波无线接收器:超越 5G 技术
ー光・無線直接伝送技術の実証成功ー
2021年7月15日
国立研究開発法人情報通信研究機構
住友大阪セメント
早稲田大学
Beyond 5G技術の開発:
ミリ波無線受信機の要素技術を二点開発。
ミリ波信号の光ファイバへの直接伝送に成功。
「光・無線変換デバイス」と「ファイバ無線技術」の組み合わせにより実現しました。
Beyond 5G時代の無線アンテナ局の簡素化(低消費電力化と低コスト化)に貢献。
ミリ波帯信号の課題:
ミリ波帯信号は、
- 従来の4Gシステムのマイクロ波帯信号に比べて、
- 大気中の到達距離が短い。
- そのため、多数の無線アンテナ局を設置する必要がある。
無線アンテナ局の低消費電力化と低コスト化が望まれていた。
無線アンテナ局送信部の簡素化:
これまでNICTは、ファイバ無線技術と受光デバイスを研究開発した。
光信号から無線信号へ変換する無線アンテナ局送信部の簡素化を実証しました。
無線アンテナ局受信部の簡素化:
しかし、無線信号から光信号へ変換する受信部の簡素化が、従来の課題でした。
今回の成果:
- 今回、ミリ波無線受信機について
- 要素技術を二点開発し、
- 高速ミリ波無線信号を受信し、
光ファイバへの直接伝送に成功しました。
要素技術の一つ目:
無線信号を光信号へ変換する光・無線変換デバイスを、共同開発した。
強誘電体電気光学結晶(ニオブ酸リチウム)を利用した、高速光変調器です。
- 結晶の厚さを、1/5以下・100μm以下、
- 101GHzミリ波にも対応可能な、
- 高速性を実現しました。
要素技術の二つ目:
光・無線変換デバイスから発出される光信号を、光ファイバに直接伝送するためのファイバ無線技術です。
- 局発信号を、
- 遠隔の光局発信号発生器で発生させ、
- 光ファイバ伝送を行います。
光・無線変換デバイスの信号周波数を、変換する技術を開発しました。
本技術により、ミリ波無線信号を光領域で周波数変換できるようになりました。
開発技術を組合せ:
無線信号を、光信号へ直接変換する構成を実現することができます。
- 64QAM変調時に、
- 毎秒70GB高速ミリ波無線信号を、
- 光ファイバ信号へ直接変換します。
伝送システムを構築して、実証実験に成功しました。
<採択論文>
国際会議: 光ファイバ通信国際会議(OFC2021) 最優秀ホットトピック論文(Post Deadline Paper)
論文名: Transparent Fiber–Radio–Fiber Bridge at 101 GHz using Optical Modulator and Direct Photonic Down-Conversion
著者名: Pham Tien Dat, Yuya Yamaguchi, Keizo Inagaki, Masayuki Motoya, Satoru Oikawa, Junichiro Ichikawa, Atsushi Kanno, Naokatsu Yamamoto, Tetsuya Kawanishi
2021年|NICT-情報通信研究機構