月面探査機:SLIMがピンポイント着陸に成功
Lunar rover: SLIM successfully makes pinpoint landing
月球車:SLIM 成功精確著陸
・JAXAがSLIMの画像を初公開
・タカラトミーのSORA-Qが撮影
日経新聞掲載記事からSummaryをお届けします。
宇宙航空研究開発機構:(JAXA)
1月25日、月探査機SLIMが、目標地点から100m以内の、「ピンポイント着陸」に成功した。
SLIMの画像を公開:
2台の小型ロボットが連携して得たSLIMの画像も公開した。
いずれも世界初の成果で、今後の資源探査で日本の強みとなる。
SLIMは20日未明、日本として初めて。世界で5カ国目の月面着陸に成功した。
2台の小型ロボットが撮影
SLIMが着陸直前に月面に放出した2台の小型ロボット。
現在も正常に作動している。SLIMの画像を地球に届けた。
タカラトミー・SORA-Qが撮影:
タカラトミーやソニーグループが開発した超小型ロボットLEV2(SORA-Q)が撮影した。
1.SORA-Qの重さは、250グラム、大きさは野球ボールほどだ。
2.LEV1が、LEV2から受け取った画像データを地球に送った。
タカラトミーが新たな宇宙事業プレイヤーとなった。
世界初のピンポイント着陸:
従来の月探査では、数㎞~十数㎞が常識だった。
SLIMは、目標地点誤差を100メートル以内に縮めた。
高精度に月面着陸する技術:
’遠隔操作ではなく、探査機が自ら判断する技術’が不可欠。
1.SLIMは、目標から55メートル離れた地点に降りた。
2.着陸地点には、障害物があったが、それを自動的に回避した。
JAXA:坂井プロジェクトマネージャ
ピンポイント着陸の仕組み:
ピンポイント着陸では、設計通りの実力を発揮してくれた。
障害物を回避する前の時点では、’目標から10m以内の精度’を達成していた。
1.月面を撮影しながら、月の地図と照らし合わせる技術。
2.そして即時に位置を判断し、機体を制御する技術。
SLIMは逆立ちで着陸:
SLIMは、着陸後に上を向くはずだったが、逆立ちして着陸。
1.主エンジンが上向き状態で着陸し、太陽電池は西を向いていた。
2.太陽電池は西向き(=想定と違う方向)で、日陰になっている。
高度15㎞から降下中、高度50m付近で異常発生。
3.2基ある主エンジンのうち、1基で異常が起きた。
4.その影響で、柔道のように自ら倒れ込んだ。
結局、斜面で安全着陸する「2段階着陸」を、実証できなかった。
太陽電池の復旧を待つ:
今後、太陽の方向が変わって、太陽電池が復旧するのを待つ。
ARTEMIS計画に貢献:
ピンポイント着陸技術は、ARTEMIS計画に大きな影響を与える。
月には、十分な水量が存在するのか?
豊富にあるのは南極周辺なのか?
米国は2024年、日本とインドは25年度に、無人探査機を送る。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC253Z70V20C24A1000000/
JAXA: SLIMがピンポイント着陸成功
NHK掲載記事からSummaryをお届けします。
JAXAの記者会見:
1月25日、JAXAが東京都内で記者会見を開催。
1.月面着陸で、誤差100m以内に「ピンポイント着陸」
2.着陸目標地点から東側に55mの地点に着陸。
従来、世界の知見では、誤差が数㎞単位が常識であった。
SORA-QがSLIMを撮影:
2機の小型の探査ロボットは、正常に機能した。
探査ロボットが、「SLIM」の機体を撮影した。
1.メインエンジンが上を向き、ほぼ鉛直の状態の様子だ。
2.SLIMの右側面に、太陽電池パネルが搭載されている。
月面着陸時の月の風景:
両端に見える銀色の物体は、「LEV-2」の左右の車輪だ。
画像中央に円すい状の物体:
「SLIM」が高度50m付近から月面を撮影した。
画像の中央付近には、円すい形をした物体が写る。
着陸直前に、SLIMから落下したメインエンジンのノズル部分だ。
着陸直前の高度50mで、エンジン1基が失われたことが判明した。
太陽光発電を利用出来ず:
搭載の太陽電池に太陽光が射さない。探査機は現時点で発電出来ず。
今後、太陽電池に太陽光があたれば、発電の可能性もある。
月の日没 (=2/1ごろ)までに、太陽光が当たれば発電する。
月面の昼と夜のサイクル:
月面は、昼と夜が2週間ごとに繰り返す。
2月1日ごろが、月の日没にあたる。
電力が復旧すれば、探査機が自動起動し、運用再開できる。
電力復旧すれば観測可能:
月面を撮影し、岩石の組成を調べ、月の起源を探る観測を行う。
タカラトミー:富山幹太郎会長のコメント
ピンポイント着陸ミッションに、SORA-Qが貢献できた事が大変嬉しい。
これで、SORA-Qは月面に着陸、撮影した日本最初のロボット。
世界中の子どもが、科学への興味や関心を持つきっかけになる。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240125/k10014333951000.html