日本:地政学上、米国との同盟が最適:APU・出口学長(動画):
Japan: Geopolitical alliance with the US is optimal: APU, Deguchi:
日本:与美国的地缘政治联盟是最佳选择:APU,总裁Deguchi
立命館アジア太平洋大学(APU)
出口治明 学長:日本列島が置かれた「絶妙な位置」を、地図で確認してみる。
日本の経済規模を考えれば、「実効性のある軍事同盟を結べる国は3つしかない」と、喝破した。
その3つは、米国、中国、欧州(EU)だ。
この3つのうち、どこと軍事同盟を結ぶのが賢明なのか。
出口治明氏が、地政学を踏まえて答えを示す。
今日の時点で、日本が同盟すべき相手は、アメリカ、中国、EUのいずれでしょうか。
米国との同盟が最適:
いちばん現実的に考えて、最適と思われる相手はアメリカです。
アメリカに対する国民感情は常に良好を保っています。
中国との同盟は最悪:
しかし、あえて他の同盟相手を考えるとすれば、中国という選択肢があります。
それはアメリカが最も嫌がることです。
アメリカにとって、極東アジアで東京・北京という政治的枢軸が形成されることは、忌まわしい悪夢になる。
EUとの同盟は論外:
EUの軍事力は、全体としてもアメリカほど強大ではありません。
また、EUの軍隊が日本の援助に駆けつけてくれるにしても、あまりにも距離が遠すぎます。
過去の日本との軍事的な同盟関係を検証しても、特筆すべきものは少ない。
日露戦争以前の、日英同盟だけです。
「日本ファースト」の採用:
しかし、アメリカと組めると楽観的でいいのかというと、懸念すべきことも多々あります。
最近のアメリカは、必ずしも日本を大切にはしてくれません。
最大の理由は、
- 冷戦下の東西対立が終わったため、
- 日本の不沈空母としての価値が低下した。
日本はいっそのこと、どことも同盟関係を結ばないで「日本ファースト」でいく手はないのでしょうか。
自力で国を守り、主張すべきことは主張していく方向です。
「日本ファースト」は無理:
- 先進国で一番少子高齢化が進んでおり、
- 経済成長率がいちばん低く、
- しかも国の借金は世界ダントツ、
こんな日本で、どこから巨額の軍事費を捻出できるというのでしょう。
日本ファースト的な考え方は、経済的にも取り得ない選択肢です。
現実的には、今まで通りしかない。
日本は核保有を行わず、アメリカの核の傘に入り、仲良くやっていくという方向です。
現在の日本が世界で生きのびていくための新たな選択肢は存在しない。
「このことを、しっかりと受け止めていくしかない」のです。
これからどうやってアメリカと向き合っていけばいいのか。
「政治・外交そして経済・文化など、幅広く日米間の交流を深める努力」が求められます。
日経ビジネス電子版
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00087/022500178/
韓国:文大統領に試練:米国務・国防長官が訪韓
ー弱腰の韓国に 中国が一層の圧力をー
韓国ウォッチ:
元駐韓大使・武藤正敏氏:韓国文大統領が直面する「米国務・国防長官訪韓」について解説した。
バイデン政権:
インド太平洋で、対中ミサイル網の構築を進めている。
これは、「対中包囲網が軍事分野にも本格的に拡大されること」を意味する。
対中包囲網の拡大:
専門家は、
中国牽制のため「米国のミサイル包囲網に、韓国の参加を公式要請する可能性がある」という見方を示している。
この場合「中国の反発は、THAADを配備した時よりもはるかに強いものになる」だろう。
中国の東シナ海進出:
中国は1980年代から、太平洋上の島と島を結ぶ「列島線」を計画。
段階的に、米軍活動領域を狭めようとする戦略として、「接近阻止・領域拒否」を進めてきた。
第1列島線:
沖縄-フィリピン-マラッカ海峡を結ぶ線である。
第2列島線:
グアム-サイパン-パプアニューギニアを結ぶ線である。
中国は、2020年代初頭までに第2列島線までを、事実上「自分たちの庭」にしようとしてきた。
米軍は、第2列島線までの中国の進出を、制止する考えだ。
第1列島線に沿って、中国に対する精密攻撃ネットワークを構築しようとしている。
文政権の中国との約束:
文政権は中国から「三不政策」を約束させられている。
- 米国のミサイル防衛網への参加、
- THAAD追加配備、
- 日米韓軍事同盟を行わない、
というものである。
中国は「日米韓が一体となって対中包囲網を構築することは防ぎたい」のが本音。
そのため「最も弱い柱である韓国に、集中的に圧力を加えてくる可能性」が高い。
ダイヤモンド・オンライン