EU:中国製EVの補助金調査を開始
EU: Starts subsidy investigation for Chinese EVs
歐盟:對中國電動車啟動補貼調查
ー相殺関税の賦課を視野にー
ー今回は、フランスの意向が強いー
ジェトロ掲載記事からSummaryをお届けします。
欧州委員会
10月4日、中国製EVにつき、「相殺関税の賦課を視野に入れた反補助金調査」を開始した。
反補助金調査を開始:
ウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長が、9月の一般教書演説で実施を表明していた。
欧州委の主張や調査の手順などに関する開始通知がEU官報に掲載された。
EU官報に掲載:
中国のBEVバリューチェーンが、市場を歪曲する違法な補助金の恩恵を受けているか?
それによってEUのメーカーが損害を被るか?
相殺関税措置発動を判断:
双方の点で確証が得られれば、相殺関税措置を発動する。
ただし、対象品への相殺関税賦課に伴うEU域内市場への影響を評価する。
調査期間:
調査期間は、最長13カ月間。
法的に妥当ならば、EUは9カ月以内、暫定的に相殺関税措置を発動できる。
最終的な措置は、暫定措置の発動から4カ月以内に発動となる。
中国はEU調査に不満:
中国はフォン・デア・ライエン委員長の演説後から、EUの調査に不満を示した。
欧州委は、「中国政府と事前協議を行った上で調査開始に至った」とのこと。
相殺関税措置の調査:
通常、調査は利害関係者の申し立てに基づいて開始される。
しかし、今回は「安価な、補助金を享受した中国製BEVの輸入」が急増した。
EU産業にとって「経済的な脅威となっている十分な証拠」が集まった。
欧州委の職権で調査の実施が決定した。
フランスの意向が強い
決定には「中国のEV産業の急速な成長に対抗すべき」とするフランスの意向が強く働いた。
ただ、「ドイツは報復措置が取られかねない」と懸念している。
欧州自動車部品工業会(CLEPA)
ベンジャミン・クリーガー事務局長
9月29日部品業界は、調査の実施表明を驚きを持って受け止めた。
欧州委が持つ懸念は妥当だ。中国側の報復措置や部品業界への影響を危惧した。
「相殺関税措置の効果に疑問符」を付けた。
https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/10/097704f873fe3cf6.html
EU:中国製EV、ダンピング疑惑で調査開始
ー補助金から税制まで多方面ー
勝又壽良のワールドビューからSummaryをお届けします。
EU発表の官報:
「中国のメーカーが補助金の恩恵を受け、
具体的には、助成金交付、国有銀行による優遇ローン、減税、
中国は、原材料・部品などを、適切水準を下回る価格で提供している。
官報で上記のとおり指摘した。
中国地方政府の支援項目:
①工場建設で助成金を提供する。
②借入資金には優遇金利を適用する。
③減税・税還付・免税を行う。
④國が、原材料・部品などの財・
中国地方政府の実態:
「おんぶに抱っこ」という至れり尽くせりの「サービス」
これらの事実がすべて明らかになると、中国製EVは、
中国商務省の対応:
EUが前記の項目を中心に、調査に入る。
このことを前提にすれば、中国は、従来の威嚇発言を控えざるを得まい。
後で、取り返しのつかない事態になるからだ。
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