COVID-19:東京医大、血中微粒子で重症化予測:「エクソソーム」(動画):
COVID-19: Tokyo Med predicts aggravation of blood particles: “exosomes”:
COVID-19:东京医学院预测血液颗粒会加重:“外来体”
東京医科大学:
落谷孝広教授:
「COVID-19で、重症になりやすい人の判別に使えるたんぱく質」を見つけた。
- 血液中にこのたんぱく質がある人は、発症しても軽症のまま。
- 重症の危険がある人だけを洗い出せば、治療に専念できる。
血液中の「エクソソーム」:
研究グループ:
新型コロナで、軽症だった患者31人の血液を採取。
血液中の「エクソソーム」と呼ぶ微粒子を含むたんぱく質を調査。
患者比較の結果:
- 入院後に重症化した9人と、
- 軽症のまま退院した22人を比べた結果、
- 退院した全員に「COPB2」というたんぱく質があった。
このたんぱく質が免疫に関わっているとみられる。
検査技術の開発:
研究グループは検査技術も開発、数時間で判別できる見込み。
感染者の血液中のたんぱく質を調べれば、重症になるか軽症になるかを判定できる。
このたんぱく質は免疫に関わっており、治療薬の開発にも役立ちそうだ。
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64895490S0A011C2I00000/
東京医科⼤学医学総合研究所:落⾕孝広教授研究チーム
リキッドバイオプシーを用いたCOVID-19における重症化予測因子の同定
-予測のみならず新規治療法や病態解明への期待-
東京医科⼤医学総合研究所
東京慈恵会医科大
米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校
国際スペースメディカル
共同研究チーム:
がん診断などに用いられるリキッドバイオプシーの手法である「血液中のエクソソームや核酸の解析」を実施。
COVID-19における新しい重症化予測因子を、同定しました。
エクソソームや血液中核酸:
エクソソームや血液中核酸を同定しました。
予測バイオマーカーとしての役割だけでなく、新規治療法開発や病態解明が期待されます。
【研究の背景】
COVID-19感染患者のエクソソームや核酸を解析すれば、重症化に関与する人体の応答をすばやく見つけ出すことができます。
本研究では、COVID-19感染患者の入院時の血液を解析、リキッドバイオプシーを用いた新たなCOVID-19における重症化予測因子を同定することを目指しました。
本研究結果及び知見:
2020年3月から5月、東京慈恵会医科大学附属病院で、入院の42名の患者を対象。
- 入院時にWHO重症度分類で、既に重症の11名を除外、
- 残りの入院時軽症の、31名を解析対象。
- コントロールサンプル・10名の健常者血清を用いて、合計41サンプルを解析。
入院後の経過:
- 入院時軽症の、31名のCOVID-19患者のうち、
- 9名が、集中治療で人工呼吸器の治療が必要となる重症化イベントを認め。
- 残りの22名は、軽症のままで退院しました。
「この31名(軽症22+重症化9名)のCOVID-19患者さんの入院時の血液サンプル」と
「健常者10名の血清」を用いて、血液中RNAおよびエクソソームタンパク質を解析。
- それぞれ次世代シーケンサー※1)
- および質量分析(LC-MS) ※2)により
- 網羅的解析を行いました。
これらの解析結果から、COVID-19患者の重症度の早期予測バイオマーカーとして
3つの異なるグループをを同定:
(1)抗ウイルス応答エクソソームタンパク質:エクソソーム、COPB2、PRKCBなど
(2)凝固エクソソームタンパク質及びRNA:
エクソソーム:MFAP4、ECM1、CAPN、FGG、CD147
RNA:CDKN2B.AS1 (long-non coding RNA
(3)肝障害関連
RNA:microRNA-122-5p(microRNA)、SNORD33 (small nucleolar RNA)など
東京医科大学
https://www.tokyo-med.ac.jp/news/2020/1012_175135002503.html