豪アルバニージー政権:Lockheedからの通信衛星調達を中止
Australia’s Albanese government: Cancels procurement of communications satellites from Lockheed
澳洲奧爾巴尼吉政府:取消向洛克希德公司購買通訊衛星
・豪政府は、国防投資を海軍に集中へ
・メディア、安全保障関係者、産業界から非難の声
Grandfleet掲載記事からSummaryをお届けします。
the AUKUS summit on March 13, 2023 in San Diego. (Photo by Leon Neal/Getty Images)
豪アルバニージー政権:
11月4日「Lockheedとの通信衛星調達計画を中止する」と発表した。
豪州メディア、安全保障関係者、産業界から非難の声が上がっている。
豪政府が宇宙部門に対する投資見通しを示さなければ、企業は豪州から撤退する。
Lockheed Martinとの契約:
Lockheed Martinは、オーストラリア軍と軍事通信衛星契約(70億豪ドル)を、2023年に締結済。
オーストラリア軍の判断:
米軍のWGSは力不足:
米軍Wideband Global SATCOMには、7ヶ国(米、加、豪、ニュージランド、デンマーク、ルクセンブルク、オランダ)が、加盟している。
1.しかし、WGSでは無人戦力対応した、通信ニーズを満たせない。
2.また。大容量高速通信に対応した、軍事通信衛星が必要だ。
豪州はJP9102/SATCOMを採用済:
しかし4日、アルバニージー政権が「JP9102を中止する」と発表して注目を集めている。
1.Lockheed Martinは、Boeing、Airbusと共同で、JP9102/SATCOMを提案。
2.豪Optus・Teams AUSSAT(RTX、Thales、三菱電機)も入札に参加。
最終的に、Lockheed Martinが、豪Optus Teams AUSSATを制し、落札した。
豪国防省のJP9102中止の判断:
1.宇宙技術の進歩や宇宙空間の脅威の進化に、単一軌道・静止衛星では要求要件が満たせない。
2.衛星通信・回復力を高めるため、多軌道能力を優先する必要がある。
3.当面の衛星通信ニーズは、現体制でカバーできると説明した。
Australianの報道:
Australianは、政府の決定を非難した。
1.アルバニージー政権は、「資金不足を理由に、軍事通信衛星調達(70億豪ドル)を中止する」と報じた。
2.豪宇宙産業協会も、「宇宙開発能力は、軍事的優位性確保に不可欠だ」と表明している。
Australian Strategic Policy Institute:マルコム・デイビス氏
Breaking Defenseの取材に次の通り回答した。
1.JP9102を中止するなら、豪州の代替計画が必要である。
2.代替計画がないなら、宇宙技術を海外に依存することになる。
豪州は、防衛計画を中止して、AUKUSと海軍戦力向け資金を捻出している
豪国防省は、「新たに追求する多軌道能力が何なのか」を説明していない。
JP9102/SATCOMプログラムの参加予定企業:
Lockheed Martinのオーストラリア軍向け通信衛星製造では、
多くの豪企業が参加する予定だ。
Inovor Technologies、
EM Solutions、
AV-Comm、Linfox、
Shoal Group、Ronson Gears、
Calytrix Technologies、Conscia、
Clearbox Systems、DXC、Blacktree Technology
JP9102中止は、豪州産業界にも大きな波紋をもたらす。