重力波に耳を澄ます世界最大のKAGRAサファイア鏡
岐阜県神岡鉱山の地下200mの巨大空間に横たわる重力波望遠鏡KAGRA。
東京大学:重力波望遠鏡KAGRAが完成:米LIGO、欧Virgoと研究協定(動画):
Gravity wave telescope KAGRA completed:Research with US LIGO and Euro Virgo:
重力波望远镜KAGRA完成:与美国LIGO和欧洲处女座的研究协议
10月4日、
「KAGRA」
重力波望遠鏡KAGRAの完成式典をKAGRA坑内で実施しました。
飛騨市神岡町の「延喜式・内社大津神社・神楽社中」による神楽が披露。
「KAGRA」という名前:
神岡(Kamioka)の頭文字“KA”、
重力波を表す「Gravitational Wave」の“GRA”を合わせたもの、
研究協定:米LIGO、欧Virgo
続いて米国の重力波望遠鏡LIGO、欧州のVirgoと研究協定を調印しました。
KAGRAは国際的な重力波観測ネットワークに参加し、年内に観測を始める予定。
ブラックホール:重力波を観測
ブラックホールなどは、巨大質量を持つ天体です。
この天体が動くと、時空(時間と空間)が歪(ひず)み、重力波となって伝わります。
重力波望遠鏡は、その時空の歪みによる重力波を観測するための装置。
ブラックホール誕生の瞬間の現象や銀河の成長の解明などにつながると期待されています。
KAGRA:大きな特徴
KAGRAには他の重力波望遠鏡にはない大きな特徴があります。
- まず、地下に設置されていること、
- マイナス253℃に冷やした世界最大のサファイア鏡を持つこと。
- これらは、他の望遠鏡が将来的に導入を検討している先駆的な技術。
なぜ望遠鏡にサファイア?
- KAGRAはいち早く高度な技術に挑戦し、取り入れました。
- 雑音を減らすには、鏡を冷やして動きを凍らせる必要あります。
- しかし、鏡は熱伝導率が非常に悪く、なかなか冷やせません。
そこでKAGRAはサファイアを採用(他の重力波望遠鏡は、合成石英を採用)
サファイアは、銅やアルミ並みに熱伝導がよく、冷やしやすい。
新たな素材を開発するに挑戦したのです。
JBpress(Japan Business Press)