量研機構:水素吸蔵合金、希少金属を使わず:アルミニウムと鉄(動画):
Japan QST: Hydrogen storage alloy,no rare metals used: Aluminum and iron:
日本定量研究机构:储氢合金,不使用稀有金属:铝和铁
ーSPring-8、Al3FeH4合金を解析ー
2021年10月11日
水素を運ぶ技術:
「脱炭素」を目指して、水素燃料に注目が集まる。
水素を効率的に運ぶ技術の研究開発が進んでいる。
量研機構(QST):
研究チームは「希少金属がなくても、水素を効率よく吸蔵できる合金の開発」に成功した。
この安価な運搬方法が確立されれば、水素利用の拡大につながる。
「2050年に温暖化ガス排出量を、実質ゼロにする政府目標」の実現に役立つ。
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC274740X20C21A9000000/
QST:希少な元素を使わず:アルミニウムと鉄で水素を蓄える
―水素吸蔵合金開発で新展開を先導―
量子科学技術研究開発機構(QST)
研究グループ「資源量が豊富な、アルミニウムと鉄を組合せた合金で、水素が蓄えられること」を発見しました。
- 従来のように希少な元素を含むことなく、
- コンパクトに、水素を蓄えられる、
- 水素吸蔵合金の可能性が示されました。
研究の成果 :
研究グループは、次の試行錯誤を重ねました。
- アルミニウムと鉄の合金について、
- 合金組成や水素化温度・圧力など、
- 水素を吸蔵するための条件を解明。
その結果、
- Al13Fe4という組成の合金を、
- 7万気圧以上の高圧力下で、
- 650℃以上の高温水素と反応させ、
新金属水素化物(水素を吸蔵した合金)Al3FeH4を合成しました。
重量水素密度が高い:
重量水素密度を算出したところ、「2.9重量%」でした。
この量は、アルミニウムと銅の合金の場合の3倍に達します。
現在の水素貯蔵システム:
現在は、定置型の水素貯蔵システムが利用されています。
レアメタルを使った典型的な水素吸蔵合金である
- LaNi5 「1.4重量%」や、
- TiFe 「1.9重量%」などと比較し、
同等のレベルであることが分かりました。
大型放射光施設・SPring-8で解析:
「アルミニウムと鉄の合金の水素化条件調査」では、
SPring-8・QST専用ビームラインBL14B1に設置された、高圧装置を使いました。
量子科学技術研究開発機構
https://www.qst.go.jp/site/press/20210729.html
Hydrogen storage by earth-abundant metals, synthesis and characterization of Al3FeH3.9
Highlights
• A novel hydrogen storage material, Al3FeH3.9, is synthesized from the earth-abundant metals aluminum and iron.
• Al3FeH3.9 contains only metals with low hydrogen affinity, whereas other reported hydrides contain metals with high hydrogen affinity.
• The crystal structure of the synthesized Al3FeD3.9 suggests that the mixing of the chemical state of hydrogen stabilizes Al3FeH3.9.
• The hydrogen content of Al3FeH3.9 (2.9 wt%) exceeds that of conventional LaNi5Hx (1.4 wt%) and TiFeHx (1.9 wt%).-
ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0264127521005074
Synchrotron Radiation Research | High Pressure Science and Stress Research Group