🔬ヒトES細胞由来網膜の移植後機能を確認

🔬ヒトES細胞由来網膜の移植後機能を確認

-重度免疫不全末期網膜変性マウスを作製し移植後光反応を検証-理化学研究所

今回、共同研究グループは、拒絶反応を全く示さない重度免疫不全マウスの末期網膜変性モデル(NOG-rd1マウス)の作製に成功し、移植後の機能検証を可能にしました。実際に、ヒトES細胞由来の網膜組織をNOG-rd1マウスに移植したところ、半年後には成熟した視細胞の生着、電子顕微鏡観察による外節構造[5]の形成、視細胞が光を感じるために必要な視物質[6]の存在を確認できました。さらに、移植先の網膜を摘出し多電極アレイシステム[7]を用いて調べたところ、光に対する反応、つまり機能的な成熟も確認できました。

本研究成果は、ヒトES細胞から分化誘導した網膜組織が臨床応用に使える可能性を示しています。今後、ヒトへの移植での検証が待たれます。

本研究は、米国の科学雑誌『Stem Cell Reports』(3月13日号)に掲載に先立ち、オンライン版(3月1日付け:日本時間3月2日)に掲載されます。

http://www.riken.jp/pr/press/2018/20180302_1/