日本のだいち4号:世界一のデータ伝送速度実現

日本のだいち4号:世界一のデータ伝送速度実現

・Kaバンドで、衛星・地上間3.6Gbps伝送に成功

・ギネス世界記録TMに認定!

JAXA掲載記事からSummaryをお届けします。

先進レーダ衛星:「だいち4号」(ALOS-4)

2024年7月「だいち4号」が、Kaバンド直接伝送で、3.6Gbpsデータ伝送に成功した。

ギネス世界記録:TM(※1)に認定

2024年12月19日筑波宇宙センターで公式認定証贈呈式が開催された。

The fastest RF direct downlink speed from an Earth observation satellite to ground stations is 3.6 Gbps

and was achieved by JAXA and Mitsubishi Electric Corporation (both Japan) with the Satellite ALOS-4 on 23 July 2024

地球観測衛星から地上局への直接伝送:

「だいち4号」(ALOS-4)が、「衛星-地上局間の観測データ伝送」を超高速で実現した。

3.6Gbps超高速通信に成功し、ギネス世界記録に認定された。

3.6Gbpsの速さとは?

1.1分間で、27GB(Giga Byte)のデータを送る速さだ。

2.スマートフォンで云うと、「50GBプランの契約でも、2分間しが使えない」とのこと。

 

JAXAプロジェクトマネージャ:勘角 幸弘

1.「だいち4号」は、「だいち2号」の機能拡大版である。

2.「だいち4号」は、分解能を維持しつつ、観測幅を4倍に拡大した。

Xバンドではなく、Kaバンドを採用:

1.「だいち4号」は、従来のXバンドを使っていない。

2.「だいち4号」は、「より割当周波数帯域が広いKaバンド」を採用した。

信号歪み補正技術(※2)を開発:

JAXA開発部門の研究で、信号歪みを補償する技術(※2)を採用した。

今回は3.6Gbpsという伝送速度だが、今後更に高速化を図る。

より鮮明な観測画像の提供:

「従来より観測幅を4倍に拡大」し、「2偏波観測の鮮明な画像」を提供する。

1.「だいち4号」は観測データを一旦、衛星内の半導体メモリに記録。

2.メモリーデータを、地上局に送信するタイミングを計算し、提供する。

通信速度:「だいち2号」の4.5倍に:

1.「だいち2号」は、0.8Gbpsという通信速度で、10分間で60GBデータを送信。

2.「だいち2号」は、観測幅が増えても、観測距離が減少する欠点がある。

「だいち4号」は、「だいち2号」の4.5倍(=3.6Gbps)で、10分間で270GB伝送可能。

3m分解能・観測幅:「だいち2号」の4倍に:

1.「だいち2号」では、3m分解能で観測できる観測幅は、50kmだった。

2.「だいち4号」では、3m分解能で観測できる観測幅が、4倍の200kmとなった。

2偏波観測が常時可能:

1.さらに、HH偏波(水平偏波送信・水平偏波受信)、及びHV偏波の2種類で常時観測する。

2.2偏波観測データを合成し、疑似的なカラー画像を作りだすことが可能なった。

より地表の状況の判別が簡単になり、災害状況の把握や森林伐採の監視などに貢献する。

性能向上のまとめ:

1.通信速度;だいち2号:0.8Gbps→ダいち4号:4.5倍の3.6Gbps

2.10分間の通信データ量;だいち2号:60GB→ダいち4号:270GB

3.観測幅;だいち2号:50km→ダいち4号:200km

4.観測方法;

だいち2号:2偏波観測はできていたが、常時観測不可能。

ダいち4号:日本近辺は3m分解能で、常時2偏波観測が可能。

SSC) + Perigee to launch satellites ...

高速データ通信対象:日本、スエーデン、カナダ

「だいち4号」は、3か国の地上局にデータ送信中。

1.筑波宇宙センター(茨城)、地球観測センター(埼玉)

2.スウェーデン宇宙公社(SSC)エスレンジ局(スウェーデン)、

3.イヌビック局(カナダ)の地上局にデータ送信中。

https://www.satnavi.jaxa.jp/ja/news/2025/01/23/10426/index.html