中国の空母:中国は米国の足元にも及ばず
Chinese aircraft carriers: China is no match for the US
中國航空母艦:中國與美國還差得遠
・中国の着発艦回数は米空母の1/4
・中国は電磁カタパルトをテスト中
JBpress掲載記事からSummaryをお届けします。
中国海軍の空母訓練:「山東」機動部隊
今年、7月9日~18日までの10日間。
「山東」打撃群が、西太平洋で機動展開訓練を行った。
日本の自衛隊:統合幕僚監部
1.海上自衛隊の護衛艦が、その活動の警戒監視・情報収集を実施。
2.航空自衛隊・戦闘機が、艦載戦闘機に対し緊急発進で対応した。
監視情報の分析結果:
’米国と中国の空母では、大きな戦力格差があること’が判明。
空母山東の発着艦回数:2024年7月9日~18日
訓練期間中、中国海軍の空母山東について、艦載戦闘機および艦載ヘリの発着艦回数を調べた。
7月9日~18日までの間、
1.空母山東の発着艦回数は計420回である。
2.戦闘機の出撃回数は計260回で、1日平均28.8回
空母山東の発着艦回数:2023年10月と11月
昨年10月と11月、山東空母打撃群が、西太平洋に機動展開した。
1.12日間の訓練で、戦闘機の出撃回数は計420回
2.戦闘機の出撃回数は、1日平均35回だった。
空母山東からの艦載戦闘機:
出撃回数は、1日平均概ね30回から多くても40回程度である。
米空母の1日出撃回数:
一方、米空母ニミッツ級の1日出撃回数は、概ね120回である。
米中空母の戦力格差:
空母の真価は、まさに艦載機の攻撃能力に掛かっている。
1.1日出撃回数だけから見ても、米中の戦力格差は明らかだ。
2.米空母は、「3対1」ないし「4対1」で、機動力がある。
米中空母の能力比較:
米中の空母には、いまだ大きな戦力格差ある。
米中空母の能力について、その要点を比較する。
米国空母の隻数・スペック等:
米海軍は現在、
1.ニミッツ級10隻、
2.ジェラルド・フォード級1隻、
計11隻の空母を保有している。
ニミッツ級10隻の仕様:
ニミッツ級は、排水量7.4万トン以上。
1.原子力(原子炉2基搭載)推進、蒸気カタパルトを採用。
2.艦載機約70機(最大90機)を搭載できる。
ジェラルド・フォード級1隻の仕様:
ジェラルド・フォード級はさらに大きく、排水量10万トン以上だ。
1.時速200㎞以上に急加速できる電磁式カタパルトを採用。
2.艦載機75機以上を搭載できる。
中国空母「遼寧」と「山東」の仕様:
中国海軍は、現在、空母「遼寧」と「山東」の2隻を保有する。
現在、3隻目の「福建」を建造中である。
「遼寧」の仕様:
遼寧は、旧ソ連の空母「ワリヤーグ」を改造したもの。
排水量5.8万トン以上で、ディーゼル機関推進。
1.スキージャンプ方式のカタパルトを採用
2.艦載機24機(「J-15」)を搭載する。
「山東」の仕様:
山東は中国初の国産空母である。
排水量6.6万トン以上、ディーゼル機関推進、
1.スキージャンプ方式のカタパルトを採用
2.艦載機36機を搭載できる。
中国3隻目の空母:「福建」
中国は、3隻目の空母として福建を建造した。
2022年6月上海で進水、2024年5月初回の試験航行を行った。
「福建」の試験航行は、少なくとも1年間が必要である。
「福建」の仕様:
「福建」は排水量8万トンで、電磁式カタパルトを装備。
1.J-15や、KJ-600固定翼早期警戒機の運用が可能
2.艦載機60~70機の搭載が可能とのこと
中国には原子力空母の建造計画がある。しかし10年の期間が必要。
米中運用・戦闘力の比較:
1.艦載機の最大発艦重量
ニミッツ級の最大発艦重量は45トン、山東が28トン。
山東の最大発艦重量は、ニミッツ級に比べて40%少ない。
燃料や武装が少なく作戦半径が短く、戦闘力が低下する。
2.早期警戒機や電子戦機の搭載
遼寧や山東は早期警戒機や電子戦機などの搭載も困難である。
3.1日の出撃回数(ソーティ)
ニミッツ級が120回ほど、山東が30~40回で、大きな差がある。
4.燃料補給の必要性
原子力推進のニミッツ級は、燃料補給なしで数年間航行できる。
ディーゼル機関の山東は、自艦の燃料で15日航行できる。
5.米中空母の保有隻数
米空母11隻に対し、中国空母は建造中を含め3隻に過ぎず。
排水量、動力源、艦載機数など、米中には大きな開きがある。
米国海軍艦艇の最新配備状況:
米海軍協会(USNI):(7月8日)
空母「ジョージ・ワシントン」:
現在、母港である日本の横須賀に向け太平洋を航行中。
空母「カール・ビンソン」:
環太平洋合同演習(RIMPAC2024、2024年6月27日~8月2日)に参加中。
空母「ロナルド・レーガン」:
東太平洋の第3艦隊の海域で、ニミッツは太平洋北西部で、それぞれ活動中。
空母「ドワイト・D・アイゼンハワー」:
欧州で、空母打撃群が地中海で行動中である。
海軍の運用常識:
現在中国は、空母3隻中の1隻を実任務に割り当てるのが、精一杯だ。
しかも、中国海軍の空母は、実戦経験が全くない。
西太平洋、東・南シナ海で、運用試験や訓練の域を出ていない。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/82166
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